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暴騰
「暴騰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暴騰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
《へた》な字で、「一束《ひとたば》四銭《よんせん》」と書いてある。あらゆる物価が
暴騰した今日《こんにち》、一束四銭と云う葱は滅多にない。この至廉《しれん》な札を....
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
く断ち切られるわけだった。 都会の膨張につれ、郊外の農耕地域の所有価値が激しく
暴騰したので、郊外の地主たちは小作人たちからその土地を取り上げて都会の人々に住宅....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
品工場などでは人が幾ら居ても足りない盛況だし、それは所謂《いわゆる》「戦争株」の
暴騰を見ても分る、(そして何処で聞いてきたのか)帝国火薬の株はもと四円が今九円と....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いう。小売り一升の米の代が急に四百二十四文もする。会津の方の戦争に、こんな物価の
暴騰に、おまけに天候の不順だ。いろいろと起こって来た事情は旅をも困難にした。 ....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
しいものである。たとえばマッキンレーが始めて大統領に選ばれたときに馬鈴薯の値段が
暴騰したので、ウィスコンシンの農夫らはそれをこの選挙の結果に帰した。しかし実は産....
「都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
のだから、どうも仕様がねえからな。」 耕作価値が急に所有価値に変り、所有価値が
暴騰したために、却って職を失った耕地を持たない小作百姓達は何れにしても土地の発展....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
符売場を廻ってみると、二十五ペセタの日蔭券が一枚二百ペセタ――六十円――あまりに
暴騰している。べらぼうな切符をかざしてドン・ホルヘを救いにあらわれたのである。 ....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
から当然物価は騰《あが》り初めた、然し暴利取締りが相当行届いてるせいか、その割に
暴騰までには立到って居ない、特に農産物等はほとんど価格の値上りを見ない、都会の台....
「字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
のヴァン・アスタア夫人が「発見」してから、近所に土地家屋売買事務所ができて地代が
暴騰したという郊外の一区域。夫人の言によれば「昼夜、おどろくべき日光の照っている....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
る箱材料の松板は三、四割高、箱の内張りのブリキ板と燃料の石炭は一躍して二倍という
暴騰であった。 さてこうなって見ると、初めのうちは毎日数十円の利益を見て有頂天....
「火の扉」より 著者:岸田国士
の話題というものがないらしい。 主人が現れる。これも天候の不順なことゝ、薬価の
暴騰につれて医者の商売も容易でないことをまくしたてる。 康子はやつとすきをみて....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
も、一両で六斗だ。
天保三年に不作で、四年の米高に暴徒が起った。五年の秋には、
暴騰して、囲米厳禁の布令が出て、米|施行《せぎょう》があった。江戸では、窮民のお....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
二斗八升(一銭に二合八勺)という高値となる。今までは円に四斗もあったものが、こう
暴騰すれば世の中も騒がしくなるは当り前である。しかし、米は高くなったからといって....
「黒船前後」より 著者:服部之総
戦争も済んで貿易と船舶業が恐しい繁栄時代にはいって、何よりも船材(英国産樫材)が
暴騰した。利潤のためには鉄の意志をもつ船舶業者は本気で鉄造船の試図《トライアル》....
「澪標」より 著者:外村繁
宿を取り、その商売形式は完全な問屋卸しとなっている。天明六年、霖雨。米、麦、綿等
暴騰し、施米している。寛政九年には弟、孝兵衛に新宅を持たせた。 新村孝兵衛家は....