曖昧模糊[語句情報] »
曖昧模糊
「曖昧模糊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曖昧模糊の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
人間じゃない。 で、筆者は結論として支倉は当時電車があったかなかったか、記憶が
曖昧模糊としていたのではないかと思う。支倉は獄中で沈吟して、どうも当時電車はなか....
「道連」より 著者:豊島与志雄
のでもない。云わば相手を空想の踏台にするだけのことだ。空想の対象は、ずっと遙かな
曖昧模糊とした所にあるのだ。 所で僕には、互に好感を持ち合ってる男が同級のうち....
「白い朝」より 著者:豊島与志雄
が、僕には気にいらないんだ。」 チビが気にいらないと云うことは、いつも、へんに
曖昧模糊とした事柄ばかりです。こんどもそうです―― 芝田さんはその夕方、銀座を....
「風景」より 著者:豊島与志雄
は彷徨に終り、内容不明の建設は徒労に終るから。然しながら、新たな時代の首途には、
曖昧模糊たるものがあり、星雲の運行に似たものがあり、必然と偶然とが衝突しあって生....
「楊先生」より 著者:豊島与志雄
実的なそれです。」 楊先生のこの理論は、私には分ったような分らないような、まあ
曖昧模糊たるものであった。だが実際は、楊先生も、なにか
曖昧模糊たる夢想を楽しんで....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
くり返して言うが、本戦争のラッパは亀裂のはいった音をしか出さなかった。その全体は
曖昧模糊《あいまいもこ》としていた。その似而非《えせ》戦勝の名前を受くるに、フラ....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
の国籍がその領事館から売られたという話もある。もっとも斯かる政治的関係は、多くは
曖昧模糊たることを常とする。ただ確実なのは、某氏は何派だという政治的な符牒を、さ....
「私の小説」より 著者:坂口安吾
志をもつてゐたやうだ。ところが、猪八戒の方は怪しいもので、彼の旅行目的たるや至極
曖昧模糊としてをり、彼の人生の目的たるや私には分らない。同じ疑問を私に差し向けら....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
センからシュテッヘに変ると同時に、次に目されている二人目の犠牲者の名も、いつしか
曖昧模糊たるものになってしまった。 いずれにしても、遭難の夜の秘密は底知れない....
「「黒死館殺人事件」序」より 著者:甲賀三郎
君の怪物ぶりと小栗君の怪物ぶりとは自ら違う。然し、両君ともに、その前身が何となく
曖昧模糊としていて、文壇にデビュウするまでに、相当忍苦の年月があり、文学的に相当....