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曙光
「曙光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曙光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
でございますが、そのような寂寥のどん底の中でも、私だけはこんなにも力強く、一つの
曙光《しょっこう》を待ち焦がれて生きてゆけるのですから。でも、その
曙光というのが....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
だろう。私もまたこの問題には永く苦しんだ。然し今はかすかながらもその解決に対する
曙光を認め得た心持がする。 若し本能的生活が体験せられたなら、それを体験した人....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
二階の東南二室の間を、コツコツと往復しながら、終日大月は考え続けた。けれども一向
曙光は見えない。 翌日は、別荘番の老夫婦を、改めてひそかに観察してみた。が、こ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あるいはそれが、支離散滅をきわめている不合理性の全部を、この機会に一掃してしまう
曙光ともなり得ましょう」
この驚くべき推定は、かつての押鐘津多子を発掘したこと....
「島原心中」より 著者:菊池寛
胸に投げつけるのです。十年もの間、もがいた末に、なおこうした地獄の境目を脱すべき
曙光を見出し得ない彼女が、自殺を計るということは、当然過ぎるほど、当然なことのよ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
下に昨日の老人の白骨は元の穴に埋られ、棺の中には新たに掘出した白骨が収められた。
曙光 二回目に発掘して来た白骨が小林貞と判明したか、自殺か他殺か区別がついたか....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
演もあり、放送もあり、技を磨くには絶好の職業であった。芸術家としてのかれの人生の
曙光は見えた。 新子には、職業替えをしたについて、すぐ手紙を出した。新子からの....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
ような遣る瀬なさ、あまい昏惑のなかでも、末起はときめくようなこともない。 春の
曙光は、お祖母さまのことで暗く色づけられていた。童心は、やがて淡くなり、薄れるよ....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
対する当時の事情を知ることができるので、次に掲げてみよう。 日本歌劇の
曙光 小山内薫 『宝塚の少女歌劇とかいうものが来ますね。あなた大阪で御覧になった....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の『書生気質』や硯友社連の諸作と比べて『浮雲』が一頭地を挺んずる新興文芸の第一の
曙光であるは争う事は出来ない。中には文学史上の著名の傑作が時代という考を去るとし....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
をこすりながら屋外に這い出して、東方を見ると、今しも常念は、ほんのりとした茜色の
曙光を負いて、独特のピラミッド形を前山の上に突き出し、左ん手で妹子の蝶ヶ岳を擁し....
「西航日録」より 著者:井上円了
も異なることなし。「ボンベイ元旦」の題にて二首を作る。 西竺今朝遇歳元、海風送暖
曙光喧、客中早起成何事、遥向東方拝聖恩。 (西|竺にて今朝は元旦を迎う。海の風は....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
願ふ
喜を生ぜしむ。
真の詞は
澄める※気の中に、
とはの天人の群に、
到る処に
曙光を仰がしむ。
メフィストフェレス
馬鹿者共、咀われていろ。恥をかきお....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
を抱き出した。若しそれが、奇怪な理想ではあるにしても、学理の上で、少しでも可能の
曙光が見え、そして、それが博士の手で博士一代に完成することが出来なかったら、私は....
「詩の精神は移動す」より 著者:小川未明
何らの新しいものとなっては響かない。たゞ単的に古い文化を破壊し、来るべき新文化の
曙光を暗示するもののみが、最も新鮮なる詩となって感ぜられる。 私たちが少くとも....