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「曲がり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

曲がりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
婆は、まばらな齒を出して、笑った。 「冗談じゃない。――それより、今夜の相手は、曲がりなりにも、藤判官《とうほうがん》だ、手くばりはもうついたのか。」 太郎は....
或る女」より 著者:有島武郎
た時にはいつのまにか、乳母が住む下谷《したや》池《いけ》の端《はた》の或《あ》る曲がり角《かど》に来て立っていた。 そこで葉子はぎょっとして立ちどまってしまっ....
或る女」より 著者:有島武郎
角々《かどかど》でさしずした。そして岩崎《いわさき》の屋敷裏にあたる小さな横町の曲がりかどで車を乗り捨てた。 一か月の間《あいだ》来ないだけなのだけれども、葉....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の間にも大砲のような音が船まで聞こえて来た。と思うと救助縄が空をかける蛇のように曲がりくねりながら、船から二三段隔たった水の中にざぶりと落ちた。漁夫たちはそのほ....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
一人残らず、ただ驚嘆するばかりで、ぜひ展覧会に出品したらというんだが、奴、つむじ曲がりで、うんといわないばかりか、てんで今の大家なんか眼中になく、貧乏しながらも....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
《あいこた》えつつ、にわかに驚くべき速力をもて走りぬ。やがて町はずれの狭く急なる曲がりかどを争うと見えたりしが、人力車《くるま》は無二無三に突進して、ついに一歩....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
のいと夜深きに、空谷を鳴らして遠く跫音《きょうおん》を送りつつ、行く行く一番町の曲がり角のややこなたまで進みけるとき、右側のとある冠木《かぶき》門の下に踞《うず....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
の落下を見る。ゆえに、左の一絶を得たり。 一湾曲水繞、典都八月秋已風。 (湾内の曲がりくねる水は王宮をめぐり、夕日は波に照り映えて橋は弧を描く。公園に歩き入れば....
怪星ガン」より 著者:海野十三
、艇の外へつきだしたばかりの宇宙線レンズが、まるで飴のように、だらんと頭をさげて曲がり、それからそれは蝋がとけるようにどろどろととけて、なくなってしまった。なん....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
。聞いてみれば、成程ごもっともです。その手でやれば、二本の鉄棒は、人間の力で充分曲がりましょう。しかし、いまあの窓で曲げられているのは、三本ですよ。三本曲げるに....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
て、かなりに大きい山川のふちを辿っているのであった。ゆうべの木枯しのなごりで、幾曲がりする川の流れは堰かれるほどの黒い落葉に埋もれていた。どこやらで鷄の声も遠く....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
」と、袖をかき合わせて駈けて行ってしまった。 治六は詰まらない顔をして仲の町の曲がり角に突っ立っていた。八橋の病気というのを幸いに、彼は日のあるうちに主人を連....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、小山というところにある。稲田や芋畑のあいだを縫いながら、雨後のぬかるみを右へ幾曲がりして登ってゆくと、その間には紅い彼岸花がおびただしく咲いていた。墓は思うに....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、みんな一つ部屋に集まっていると思います。――次の間をおいでになったらば、左へお曲がりなすって、伯爵夫人の寝室までまっすぐにおいで下さると、寝室の衝立のうしろに....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
馬を進めました。わたしも同じくらいの足どりで馬を進めて行くと、そのうちに道の急な曲がり角があって、とうとうSの町は、もうそこへ帰ることのできない運命とともに、永....