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曲事
「曲事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曲事の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
徊《ていかい》せり。ややありて渠は鉢前《はちまえ》近く忍び寄りぬ。されどもあえて
曲事《くせごと》を行なわんとはせざりしなり。渠《かれ》は再び沈吟せり。 良心に....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
。玄関を出るときに五郎三郎は二人にささやいて、外記は魂のぬけた奴、この上にどんな
曲事《きょくじ》を仕出来《しでか》そうも知れない。お前たちも油断なく気をくばって....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
月、 「川合又五郎と申す者は一夜の宿を貸し候とも二夜と留置き候者は屹度《きっと》
曲事《くせごと》に行わるべき者也」 という御触れが出て又五郎は江戸に居られなく....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れざる不幸である。愛によって生れ出た子女が、侮辱を蒙らねばならぬのは、この上なき
曲事である。私達はこれを救わなければならない。それが第一の喫緊事だ。それらのこと....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
宛致二合点一、急度《きっと》相守可レ申候、若此旨相背候はば、如何様《いかよう》の
曲事《くせごと》にも可レ被二仰付一云々。 というような誓詞を記し、名主、百姓代....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
「部落の長たる自分の娘が宗介天狗のお心持ちに背き下界の若者と契るさえ言語道断の
曲事だのに、部落を捨ててどことも知れず姿を隠してしまうとは何んという不心得の女で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
格もあり、話を聞けば知識も見識もあり過ぎるほどある人だから、決して逃げ隠れして、
曲事をたくらむ人であり得ようはずがないのに、その行動のいかにも暗いのに不審を打た....
「轆轤首」より 著者:田中貢太郎
白洲へ引き出した。 「売僧、その袖の首は、何としたものじゃ、僧侶の身にあるまじき
曲事、有体に申せばよし、偽り申すとためにならぬぞ」 怪量は役人を見て笑った。 ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
を云え! 名を宣れ! ……拙者の名は宮川茅野雄という、他人に怨みを受けるような、
曲事をしたような覚えはない! 思うにおおかた人違いであろう。……それとも、拙者に....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
るものが助けたとあっては、上ご一人に対しても、下万民に対しても、申し訳の立たない
曲事であった。 「これが世間へ洩れようものなら、どんな大事が起ころうもしれぬ。早....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
、世人はこれを悟らずに今日でもヤマノイモに薯蕷の字を使っているのはもってのほかの
曲事《くせごと》である。また山薬をヤマノイモとしているのも同様全くの間違いである....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
も多いわけだった。 彼のその立場を巧みに利して、何奴かが為にすべく、拵え立てた
曲事だろう。――そして宮廷内の結束を分裂させ、帝位をもゆり動かそうとする者が、ど....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のあたりへ、花が舞った。 「……大覚ノ宮などと仰っしゃる親王はおわさぬぞ。そちは
曲事を申しておるの」 「や、おゆるしを。……うかと申し損じまいた。大覚ノ宮とは、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を去り、備後の鞆ノ津辺にとどまって、しきりに、従前からの師直がしていた下知状やら
曲事を洗いだてて、これを直義へ報告していた。 「怪しからぬお手廻しよ」 師直が....