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「曲折〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

曲折の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
も出来ない相談に違いなかった。 ………お鈴はお芳親子を相手にしながら、こう云う曲折を思い出したりした。お芳は長火鉢に手もかざさず、途絶え勝ちに彼女の兄のことや....
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
こか樗牛という人間を彷彿《ほうふつ》させるものがあった。そうしてその人間は、迂余曲折《うよきょくせつ》をきわめたしちめんどうな辞句の間に、やはり人間らしく苦しん....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
を聞くと、新蔵の知らない泰さんの計画と云うのは、たった昨夜一晩の内に、こんな鋭い曲折を作って、まんまと失敗してしまったのです。 泰さんは始《はじめ》新蔵から、....
或る女」より 著者:有島武郎
ら想像もできないような反目と衝突とが続いたのだった。葉子の性格はこの暗闘のお陰で曲折のおもしろさと醜さとを加えた。しかしなんといっても母は母だった。正面からは葉....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ところでは、この最古の人間たちは動物のような性状のもので、まだ言語をもたず、ただ曲折のない音声で心持を表わしていたのを、トート(Thot)の神が初めてこれに言語....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
。」氏「判りました。あなたが怒りんぼうのくせに、じき優しくなるのも、そんな思考の曲折や、性格の変化があなたにあるからですな。」私「そうでしょうか。私なんか煩悩だ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
明白な失神じゃないか」今度は検事がいがみ掛った。「どうも君は、単純なものにも紆余曲折的な観察をするので困るよ」 「勿論明白なものさ。しかし、失神――だからこそな....
車中有感」より 著者:上村松園
流れてゆく風景を眺めていることである。 いろいろの形をした山の移り変りや、河の曲折などを眺めていると、何がなし有難い気持ちになって、熱いものを感じるのである。....
簡潔の美」より 著者:上村松園
能楽の幽微で高雅な動作、その装束から来る色彩の動き、重なり、線の曲折、声曲から発する豪壮沈痛な諧律、こんなものが一緒になって、観る人の心を打つの....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
昨夜から今朝へかけて暴風雨があったので、大川は八|分の出水、当深川の川筋は、縦横曲折至る処、潮、満々と湛えている、そして早船乗の頬冠をした船頭は、かかる夜のひっ....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
、池の茶屋へ出で、鰍沢に向うのである。 天長節に上った峠、それと同じ道で、通例曲折の烈しきところを、よく九十九折などと形容するが、ここは実に二百余を数えた。あ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
り左に近く羽衣の滝を見る。下りて見上ぐれば、高い哉。八十丈と称す。直下せずして、曲折するが、日光の華厳滝よりは遥に高き也。この滝の水、落ちて間もなく、忠別川に入....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ルー、オックスフォード、リージェント等、みなロンドンの名称をとり、街路の狭くして曲折せるところも、ロンドンを擬するもののごとくなれば、よろしく南球の小ロンドンと....
こがらし」より 著者:岩本素白
或る日、私が独りで外で遊んで居ると、不意に耳近くビューという、而もそれが多少高低曲折のある、いやむしろ微妙なと云ってもよい程の風の音のするのに気がついた。見ると....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
て強い槌は揮えます。世の中には、いろいろの宗教や哲学や思想がありまして、随分紆余曲折していますが、結局最後は、現実そのものを理想化するというところに落付かねばな....