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曲浦
「曲浦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
曲浦の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
と懐かしませる。私は生洲から上げたばかりという生け鱸の吸ものの椀を取上げて、長汀
曲浦にひたひたと水量を寄せながら、浜の椰子林をそのまま投影させて、よろけ縞のよう....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の方を志す。折ふし延宝二年|臘月朔日の雪、繽紛として六美女の名に因むが如く、長汀
曲浦五里に亘る行路の絶勝は、須臾にして長聯の銀屏と化して、虹汀が彩管に擬ふかと疑....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る鹿島灘《かしまなだ》があります。ただ九十九里だけが平々凡々たる海岸の風景。長汀
曲浦《ちょうていきょくほ》と言いたいが、
曲浦の趣はなくて、ただ長汀長汀ですから、....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
、雪のような飛沫をあげていた。其処は左に室戸岬、右に行当岬の丘陵が突き出て一つの
曲浦をなしていた。堰堤の内の半ば乾あがった赤濁った潮の中には、数百の人夫が散らば....
「エトナ」より 著者:野上豊一郎
たエトナの高峰が次第次第に高くなり、その裾野がイオニア海に滑り込んで幾つもの長汀
曲浦を造っているのが瞬間ごとにより広く見晴るかせるようになって行くのが愉快だった....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
りになった、風が強く吹きだした、――八坂八浜を行くのである、風雨のすきまから長汀
曲浦を眺めつつ急ぐ、鯖大師堂に参詣する、風で笠を吹きとばされ、眼鏡もとんでしまっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
並び立った下の野や丘や幾筋もの河口に、遠く近く、わびしい民家が散在して見え、長い
曲浦の線がうねうねと白い。 「…………」 が、それらの事物は、或る一焦点を、あ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
つづける。紀南第一のドライヴウェーといっては違うだろうか。熊野灘つづく限りの長汀
曲浦と、ここの松々々の磯松原は、湘南にも、裏日本にも、ちょっと比肩しうる地を思い....
「古い暦」より 著者:長谷川時雨
石先生も、書斎で打解けて、打解けた話をしてくださった。鴎外先生は、坪内さんが「新
曲浦島」を許すのならば、私は史劇「曾我」を書いてやろうと大乗気、漱石先生は、森さ....
「明石鯛に優る朝鮮の鯛」より 著者:北大路魯山人
で高麗青磁の窯跡を探って、たくさんの資料を蒐集し、帰途、岩礁の多い海岸に沿って、
曲浦渚汀を、順天・馬山・釜山方面へと巡遊した。ところが、これらの地方で、はからず....