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更々
「更々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
更々の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俗臭」より 著者:織田作之助
を見せるために少くとも八百円余分の金が費されたのだ。が、そんなに金を掛ける必要は
更々になかったと、あとになって人々就中政江は思った。 婚礼の夜から一月ほど経っ....
「少年の食物」より 著者:木村荘八
もあります。 その後今では別段何とも思いません。こう云うかんばんをかけたいとは
更々思いませんし、少し皮肉な見方かも知れないが、或いはあのかけじは誰か悟り切れな....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
とえば、法隆寺蔵するところの繍帳縫著亀背上の文字を録したのちに、その文字の作者は
更々実情を知らざるものである、と意味深重な註釈をつけているのです。そして、聖徳太....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ようなものに過ぎなくなる。すると之は人格の完成とか自己の造り上げとかいうものでは
更々なくなるわけだ。つまり一つの退屈な階級的趣味か感覚かの母体のようなものにすぎ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
スペインの内乱は人民戦線の連中が起こしたことで叛乱軍の叛乱から始まったことでは、
更々ないかのようだ。こういう調子で行けば、労働者のストライキも資本家が起こしたこ....
「椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
の事件がへんに別所と結びついて考えられるのだった。別所に嫌疑をかけるというのでは
更々なく、別所の心理とこのおかしな事件とが関係を持つのが否定し難いところに、この....
「藤九郎の島」より 著者:久生十蘭
どくださるだけ。山焼けはする。灰は降る。岩山ばかりで、土気《つちけ》というものは
更々《さらさら》ない。火風水土《かふうすいど》、四大《しだい》の厄を受けているこ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
情が浮びます。更始一新的行事、というのは全くそのとおりでしたし、そのことで遺憾は
更々なしよ。ただ、この頃は古本が実にないし、それでマアあんなことも云って見るとい....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
れ用をなさないものであると思う。こういえばとて私は女子の不貞不倫を肯定するのでは
更々ない。私などは現に自分一個の貞操について保守主義者中の保守主義者であると評せ....