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「更なり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

更なりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白くれない」より 著者:夢野久作
れたる若き唐人、驚き喜びて迎へ入るゝに、下の土室にて待兼ねたる黄駝の喜びは云ふも更なり。わが携へたる生胆を一眼見るより這は珍重なり。お手柄なり。たしかに十七八歳....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
ではないか。それに反して、日本の山々は、富士、白山、立山、三|禅定の神社はいうも更なり、日本北アルプスの槍ヶ岳や常念岳の連山にしてからが、石垣を積み、櫓をあげ、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
年に書いた『弥生《やよい》の磯《いそ》』ちゅう写本に、厳島《いつくしま》の社内は更なり、町内に鹿夥しく人馴れて遊ぶ、猴も屋根に来りて集《つど》う。家々に猴鹿の食....
十二支考」より 著者:南方熊楠
り、葦索を垂《た》れ、虎を門に画くとあり。桃人は『戦国策』に見える桃梗で、〈梗は更なり、歳終更始す、介祉を受くるなり〉とあれば、年末ごとに改めて新しいのを門に懸....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ないらしい。したがって尾閭禁ぜず滄海《そうかい》竭《つ》きた齶蠅《がくよう》連は更なり、いまだ二葉の若衆より※《かわや》に杖つくじいさんまでも、名を一戦の門に留....
東上記」より 著者:寺田寅彦
の水|涸れ/\にして蛇籠に草離々たる、越すに越されざりし「朝貌日記」何とかの段は更なり、雲助とかの肩によって渡る御侍、磧に錫杖立てて歌よむ行脚など廻り燈籠のよう....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
打眺めながら引止められしことまして我ためにとて雑誌の創立に及ばれしことなどいへば更なり、久しう病《わず》らひ給ひその後まだよわよわと悩ましげながら、夏子さま召上....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
の二人《ににん》を特《こと》に典獄より預けられて、読み書き算盤《そろばん》の技は更なり、人の道ということをも、説き聞かせて、及ぶ限りの世話をなすほどに、頓《やが....
興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
御当家に奉仕候てより以来の事を思うに、父兄ことごとく出格の御引立を蒙りしは言うも更なり、某一身に取りては、長崎において相役横田清兵衛を討ち果たし候時、松向寺殿一....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
朝以前のことはどこまで信用していいのか全く見当がつけかねるようだ。神代記は云うも更なり、この神宮を伊勢の地に移したという崇神垂仁両朝の記事の如きも、伝説であって....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
を合図に、暗黒世界は忽ち光明世界に急変するのであった。家々の高張、軒提燈は云うも更なり、四ヶ所の大篝火は天をも焦がすばかりにて、森の鳥類を一時に驚かすのであった....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
なりき。生れながらにしてその運命と境遇とを異にする東洋人なり。恋愛の至情はいふも更なり、異性に対する凡《すべ》ての性慾的感覚を以て社会的最大の罪悪となされたる法....
食道楽」より 著者:村井弦斎
持の仕事に取かかる。座敷の広間には長き食卓へ清らけき布をかけ、卓上の器物はいうも更なり、花瓶に挿《さ》したる美しき花々は自《おのずか》ら人の眼を悦《よろこ》ばし....
三国志」より 著者:吉川英治
や、まずこの絶大なる侮辱をうけ、何の面目あって魏の人にまみえん。この上はただ身も更なり諸軍もいのちを捨てて戦え。それあるのみと、彼はみずから剣を抜いて、左右百余....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
う考えてみても、私は西洋の審美より、日本の審美の方が深く渋いと思える。女の姿形は更なりその顔の味からいっても、二た昔前の美妓の写真と今日のモダン美人との顔では美....