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書抜
「書抜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書抜の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ようやく座敷に来る。障子を開けて、人はおらぬかと確かめた後静かにはいる。懐中から
書抜きを取出す。 藤十郎 (
書抜きを読みながら形を付けてみる)かくなり果つる....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は勿論あきらめるよりほかはない。そのほかにも私が随時に記入していた雑記帳、随筆、
書抜き帳、おぼえ帳のたぐい三十余冊、これも自分としてはすこぶる大切なものであるが....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
劣極まるものである。引用する事は関係者を不快にさせるかも知れないが、こゝに一部を
書抜いて、支倉がいかに庄司氏に対し悪辣を極めたかを証明する事にしよう。 之は原....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
のノートには又彼の読んだ書物の中で「適切な表現」と思われたものが悉《ことごと》く
書抜いてあった。諸家のスタイルを習得する稽古《けいこ》も熱心に行われた。一つの文....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、難有い、仏壇の中に美婦が見えるわ、簀の子の天井から落ち度い。)などと、膝栗毛の
書抜きを遣らっしゃるで魔が魅すのじゃ、屋台は古いわ、造りも広大。」 と丸木の床....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
』これは撰時鈔《せんじしょう》――」 白雲は再び小冊子をくりひろげて、いちいち
書抜きを指点しながら、 「ともかく、こういう真実性を持った巨人が現われて来ますと....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
歌であるが、万葉の「なりにけるかも」の例は実に敬服すべきものなので、煩をいとわず
書抜いて置いた。そして此等の中にあっても志貴皇子の御歌は特にその感情を伝えている....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
さんが来て筆記せられたのでした。それから後、お兄様に関することどもは細大|洩さず
書抜いたり、切抜いたりしてそれが長年の間に大分の量になったのを整理して、『鴎外森....
「薄どろどろ」より 著者:尾上梅幸
際をいうと私も憶病なので、丁度前月の三十日の晩です、十時頃『四谷』のお岩様の役の
書抜を読みながら、弟子や家内などと一所に座敷に居ますと、時々に頭上の電気がポウと....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ものでない、楽屋の作者部屋の飯をくって、黒衣をかぶり、拍子木を打ち、稽古をつけ、
書抜きをかき、ここに幾年かの修業を積んだ上でなければ、いわゆる“舞台に乗る”劇は....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
作者部屋にあっては、始めて狂言作者の事務を見習わんとするものあれば、古参の作者は
書抜の書き方を教ゆるに先だって、まず見習をして観世捻《かんぜより》をよらしめた。....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
書いていたらしい。既にその前年なる正徳二年の、「名東郡芝原村穢多・小家・下人一々
書抜帳」と云うのを見ると、エタ百人万助の小家も、庄屋伝右衛門の下人も、伝右衛門の....