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書状
「書状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
年通りに……」 「どう仕上る?」 「それは、ここにあります」そういって、内匠頭は
書状を差し出した。 「それは、とくと見た。しかし、そうたびたびの勤めではないし、....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
きた。 淳庵は、その至急を示した文箱を、ちょっと不安な顔付で取り上げたが、中の
書状を読んでいるうちに、彼の不安な顔は欣びで崩れてしまった。 「諸君! お欣びな....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
る恐る御前にまかり出でて、 「御所様から、大坂表へ御出陣あるよう御懇篤な御依頼の
書状が到着いたしました」と、言上した。家老たちは、今までにその幼主の意志を絶対の....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
免なされませ。なになに漣子《れんし》どの、巣林《そうりん》より、さて近松様からの
書状じゃ。(口の中に黙読する、最後に至りて声を上げる)こんどの狂言われも心に懸り....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
って来た。弟は、京都を立つ前、ひそかに所司代へ願い出て、敵直之進が、横死した旨の
書状を貰った。 兄弟の家は、八百石を取って、側用人を務むる家柄であった。藩では....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
司法大臣閣下。 少しの御面識もない無名の私から、突然かかる
書状を、差上げる無礼をお許し下さい。私は大正三年五月二十一日千葉県千葉町の郊外で....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
時が到来したのである。 されば、川中島出陣に際して、越後岩船の色部勝長に送った
書状にも、 「(前略)雪中御大儀たるべしと雖も、夜を以って日に継ぎ、御着陣|待入....
「大脳手術」より 著者:海野十三
ることができなかった。 それから相当たっての或る日のこと、私の許へ一通の無名の
書状が届けられた。私はそれと見るより、この
書状の中に、私の求める重要なニュースが....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
店へ出て来た。 手代どもからその話を聞かされて、市兵衛は眉をよせながらまずその
書状の文面をよむと、大略左のようなことが書いてあった。 拙者事、四五年以前まで御....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
またわれらの中に帰り来たりぬといえり。この言葉は短けれどその意は長し―― この
書状は例によりてかの人に託すべけれど、貴嬢が手に届くは必ず数日の後なるべし、貴嬢....
「遺言」より 著者:国木田独歩
つは聞きものだぜひ傍聴したいものだと言って座を構えた。見ればみんな二通三通ずつの
書状を携えている。 その仕組みがおもしろい、甲の手紙は乙が読むという事になって....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の葉もはげしい霜に凍てはてている。 一月のもすえの或る日のこと。老刀自が一本の
書状をさし出して、これを読んでみるようにとのことである。国許の妹からの来書である....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
て船舶を通ぜられよ」と云い送った。そこで呂宋は意を安んじて、同年船を浦賀に向け、
書状及び贈物を献じ、爾来盛んに通商貿易をした。しかしメキシコと日本との通商交通の....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
て、その仕方を示さんとす。まず、美濃国恵美郡中野方村、山田氏より昨年寄せられたる
書状によるに曰く、 名古屋、岐阜をはじめ尾濃いたるところ、当春来一時流行せしも....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、巨額の金の為替券と、フランダース駐在のスペイン総督からフェライラにあてた二通の
書状が出てきた。 チノコは、いろいろの経歴をくぐった青年だった。幾年間かはドン....