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「書生部屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

書生部屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
確かに腎臓結核《じんぞうけっかく》だった。僕は時々ビスケットなどを持ち、彼のいる書生部屋へ見舞いに行った。彼はいつも床《とこ》の上に細い膝《ひざ》を抱《だ》いた....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
りとした勝手には茶釜《ちゃがま》ばかりが静かに光っている。黒田さんは例のごとく、書生部屋で、坊主頭を腕の中に埋《うず》めて、机の上に猫のように寝ているだろう。立....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
事なり訪問なりに縁を藉《か》りて、同じ人の門を潜る事が多くなった。時々は玄関脇の書生部屋へ這入《はい》って、かつて電話で口を利《き》き合った事のある書生と世間話....
行人」より 著者:夏目漱石
》をしていた。岡田はまたその時分自分の家の食客《しょっかく》をして、勝手口に近い書生部屋で、勉強もし昼寝《ひるね》もし、時には焼芋《やきいも》なども食った。彼ら....
明暗」より 著者:夏目漱石
足を踏み込んだ例《ためし》のない彼はわざとそこを通り越して横手へ廻った。そうして書生部屋のすぐ傍《そば》にある内玄関《ないげんかん》から案内を頼んだ。 「まだ御....
三四郎」より 著者:夏目漱石
うな事は聞かなかった。ただちに、 「君、この辺に貸家はないか。広くて、きれいな、書生部屋のある」と尋ねだした。 「貸家はと……ある」 「どの辺だ。きたなくっちゃ....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
たもんよ。むずかしい事をいってよく議論するの。昼間ならまだよいけれど、夜遅くまで書生部屋でやるんでしょう。あたし寝られなくって困った事があったわ。あたしにはよく....
魚の序文」より 著者:林芙美子
さいまし、女手が多いのですから片づけといて上げます」僕は僕の部屋になるのだと云う書生部屋もさっき見た。高窓が一ツに壁上には、判読するに困難な字が掛けてあった。あ....
蒸発皿」より 著者:寺田寅彦
中六番町の家を引き払おうという二三日ぐらい前の夜半に盗賊がはいって、玄関わきの書生部屋の格子窓を切り破って侵入した。ちょうど引っ越し前であったから一つ所に取り....
死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
では、女中部屋は三畳で狭いものですから、そこには近さんだけ寝かすことにしまして、書生部屋の四畳半が空いてるものですから、そこを清さんの部屋にしてやっておりました....
三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
た。そのそばに、阮東の黒い沓が片方、ぽかりと浮いていました。 阮東は、裏庭から書生部屋の方へかけこみ、床《ゆか》の上に身を投げ出して、死んだように横たわってい....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
誘いに来たのだな。大方ホテルへでも行くのだろう。夜会だな、結構なことだ。……俺は書生部屋で豚でもつつこう」 だが一体どうしたことだ? 一晩も泊まっては来ないで....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
で、先生は御在宅の筈だと教えて下さいましたので」 「ハテな。誰だろうな」と取次は書生部屋の仲間に振り向いて云った。 「外国と云えば田村さんじゃないかね。併しあの....
雑木林の中」より 著者:田中貢太郎
夢中になって逃げていた登は、運好く山木邸の前へ往きかかったので、その晩はそこの書生部屋に一泊さして貰い、翌日怪異の跡をたしかめるつもりで、山木邸にいた四五人の....
それから」より 著者:夏目漱石
る》って、斑《まだら》な顔を急に上げた。そうして尾を揺《うご》かした。 入口の書生部屋を覗《のぞ》き込んで、敷居の上に立ちながら、二言三言|愛嬌《あいきょう》....