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書箱
「書箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
書箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女病」より 著者:田山花袋
の女の児も来て立っている。 客間兼帯の書斎は六畳で、ガラスの嵌まった小さい西洋
書箱が西の壁につけて置かれてあって、栗の木の机がそれと反対の側に据えられてある。....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
に通ずる廊下が長く続いた。瓦屋根と本堂の離れの六畳の障子の黒くなったのが見えた。
書箱には洋書がいっぱい入れられてある。 主僧はめずらしく調子づいて話した。今の....
「道標」より 著者:宮本百合子
段は、大玄関とは別の、茶色のドアのなかにあった。事務室のそとの廊下に、郵便局の私
書箱のような仕切りのついた箱棚があって、在留している人々の名が書いてはりつけてあ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に注ぎ弱らしむ。支那の古塚に、猥褻《わいせつ》の像を蔵《おさ》めありたり。本邦で
書箱|鎧櫃《よろいびつ》等に、春画《まくらえ》を一冊ずつ入れて、災難除けとしたな....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
勝手口で、三十日に借金取の断りばかりしていた。私もまさかそんな書籍を買って来て、
書箱の中に並べ立てゝ、それを静と眺めてさえいれば、それでお前が、私に言って責める....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
家だそうな。これは木精に相違ない。どれソロソロ歩いてみようか」 首につるした密
書箱を、懐中の中でしっかりと握り、平八は部屋から廊下へ出た。そうしていっそう足音....
「魔都」より 著者:久生十蘭
十はここへ大伏樋の古地図を探しに来たものと思われる。さながら狂乱の有様で黴臭い古
書箱をひっかき廻していたが、やがて、「天正日記」と誌された和綴の本を引っぱり出す....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
がく》や聯を掛け、一方の壁に寄せて物々しいまでに唐書《とうしょ》を積上げてある。
書箱の傍《かたわら》に紫檀の書卓と椅子があって、その下に見事な豹の皮が敷いてある....