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最下
「最下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
最下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
いちばん出来が良かった。たとえば、ルンペンを「独逸語で屑、襤褸の意、転じて社会の
最下層にうごめく放浪者を意味する。日本では失業者の意に用う。しかしルンペンとは働....
「世相」より 著者:織田作之助
相手に脛もあらわにはっと固唾をのむような嬌態を見せるのだが、しかし肉は売らない。
最下等の芸者だが、最上等の芸者よりも清いのである。もっとも情夫は何人もいる。……....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と思う。前篇にも述べたとおり、その室は礼拝堂の円蓋に接していて、振鐘のある尖塔の
最下部に当っていた。そして、階段を上りきった所は、ほぼ半円をなした鍵形の廊下にな....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
たり、登攀はなかなか容易な業ではなかった。それでも三十分あまりの後、彼はとうとう
最下層の甲板までたどりついた。 甲板の隅で、川上機関大尉はしばらく息をいれてい....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
行は愛から生れ、愛によりて動き、そこに、愛にあらざる何物もない。神はその創造物の
最下級なものに対しても、常に正しく、常に親切である。 従って霊訓は、此神に対し....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
、かくは転じきたりたるなり。すべて夢は、かくのごとく疑似、差異、係属等よりして、
最下等なる想像世界をいわゆる夢中に浮かぶるものなれば、夢によりて吉凶をきたすがご....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
自分たちを喜ばす。この小さいセラックスのような間を抜け出て、ようやく奥壁の岩場の
最下端に達する事の出来たのは八時半頃であった。これから上は見上るかぎり傲頑な岩壁....
「城」より 著者:カフカフランツ
った。「よろこんで説明しましょう。わたしはお城の人間ではなく、ただの女、ただこの
最下等の宿のおかみにすぎませんわ。――この宿は
最下等じゃないかもしれませんけど、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
る手段を見つけだしたことだろうし、少なくともそれはきわめてありうべきことだった。
最下級の役人どもがみな無頼漢なら、最も非人間的な役目を受持っている笞刑吏などはど....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ことが出来ない。政府の学校へは普通の人民は入ることは出来ない。その普通人民の下に
最下族というのがある。その
最下族というのは漁師、船渡、鍛冶屋、屠者の四つである。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ンガルーの高さ五尺、目方二十四貫目なるものありと聞く。豪州土人は世界中の蛮民中、
最下等に属する人種にして、いかなる虫類にてもこれを食し、なかんずく彼らの嗜好する....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
僧侶の目より見たならば、いかにも無残に見えたには相違ない。したがってこれを「人中
最下之種」だと悪口言ったに無理はないが、しかもさらにそのエタを役して犬を捕えしめ....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
る。しかるに仏教流行の結果、インドにおける文献の記するところを丸移しにして、人中
最下の種だの、如是畜生だのと云うに至ったものである。もちろん仏徒の方から云えば、....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
が朝鮮出兵のときに建立したといわれる「蝋石の塔」の近くだった。彼の住んでいる家は
最下級の人が住んでいる低い倉庫のような建物の一室である。 しけている。にんにく....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ろう。しかし他の部類のものもあった。軍隊の後から人夫、運搬夫等に、そして雑多なる
最下級の群が来て、それらは支那人から恐怖の混じた軽蔑をもって見られた。……彼らは....