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最中
「最中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
最中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
だが、つい昨日《きのう》、――昨日は午《ひる》過ぎは雨が降っていたろう。あの雨の
最中《さいちゅう》に若槻《わかつき》から、飯を食いに来ないかという手紙なんだ。ち....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
絶え間なく晴れ渡った秋の空へ、うらうらと昇って参ります。
するとその供養のまっ
最中、四方の御門の外に群って、一目でも中の御容子《ごようす》を拝もうとしている人....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の一行はすぐに伊予船《いよぶね》の便《びん》を求めて、寛文《かんぶん》七年の夏の
最中《もなか》、恙《つつが》なく松山の城下へはいった。
松山に渡った一行は、毎....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
に、実際生きていないのであろうか? そう云えば彼女が住んでいた町も、当時は物騒な
最中だった。男はお蓮のいる家《うち》へ、不相変《あいかわらず》通って来る途中、何....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
しかった。
あの容貌の醜い若者は、ちょうどこの五六人の力競《ちからくらべ》の真
最中へ来合せたのであった。
三
あの容貌の醜い若者は、両腕を胸に組んだまま....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
にこう絶叫していた。その光に透《す》かして見れば、これは頭部銃創のために、突撃の
最中《さいちゅう》発狂したらしい、堀尾一等卒その人だった。
二 間牒....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
んしゅう》を重ねては、不相変《あいかわらず》快活にしゃべっていた。
するとその
最中《さいちゅう》に、中折帽《なかおれぼう》をかぶった客が一人、ぬっと暖簾《のれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
だった。
「しかし倉地は妻や娘たちをどうするのだろう」
こんな事をそんな幸福の
最中にも葉子は考えない事もなかった。しかし倉地の顔を見ると、そんな事は思うも恥ず....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
切れない失望の声が、黙りこくった農夫の姿から叫ばれた。
一刻の暇もない農繁の真
最中に馬市が市街地に立った。普段ならば人々は見向きもしないのだが、畑作をなげてし....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
は》れわたった日でした。僕達は先生と一緒に弁当をたべましたが、その楽しみな弁当の
最中でも僕の心はなんだか落着かないで、その日の空とはうらはらに暗かったのです。僕....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
国家と平等に提携し、われらの徳と力により諸国家の自然推挙によるべきであり、紛争の
最中に、みずから強権的にこれを主張するのは、皇道の精神に合しないことを強調する。....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ようとすると「オオ神様泥棒が」って、殉教者の様な真似をしやあがる。擦った揉んだの
最中に巡的だ、四角四面な面あしやがって「貴様は何んだ」と放言くから「虫」だと言っ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
くよく臨終が迫って居りまして、母の霊魂はその肉体から半分出たり、入ったりしている
最中でございました。人間の眼には、人の臨終というものは、ただ衰弱した一つの肉体に....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
を用心するんだよ。」 さて一同で裏庭に着いてみますと、そこでは今、大騒ぎの真っ
最中です。二つの家族で、一つの鰻の頭を奪いあっているのです。そして結局、それは猫....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
仏人に任せたり。 小栗等の目的は一意軍備の基を固うするがために幕末|財政窮迫の
最中にもかかわらず奮てこの計画を企てたるに外ならずといえども、日本人がかかる事に....