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最低限
「最低限〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
最低限の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乳房」より 著者:宮本百合子
とがあった。少し金があるときは時間の余裕がなく、両方そろった時をのがさず、重吉の
最低限の必要のまた何分の一かを満たす差入れをするのであった。いやがらずに本を貸し....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
このような文学に於ける社会的見地の抹殺と客観的な評価の消滅が充ちていたとき、
最低限の形ででも民衆の日常の現実を文学の対象として描こうとした努力から中野重治「....
「女性の歴史」より 著者:宮本百合子
という問題は甚しい欺瞞となる。 すべての人は働くことができる。そうであるならば
最低限の生活の安定がその勤労によって保たれ、勤労人民としての社会保護が確保されな....
「幸福の感覚」より 著者:宮本百合子
る人は幸福とは各人の主観でだけ感じられる一つの心境であるというし、他のある人は、
最低限の衣食が足っていれば幸福であるとし、第三のひとは、健康こそ幸福であるという....
「私の感想」より 著者:宮本百合子
符制になって、不正と不安とを一掃する方策が立てられた。あらゆる面で、一般の生活の
最低限の安定を保とうとする努力が、新しい政府へ向けられている一つの要望と共力との....
「漁村の婦人の生活」より 著者:宮本百合子
実に不可能である。生活の合理化ということも、その根本は、漁村生産方法の合理化と、
最低限の生活の確保ということに、漁村の女の関心が向けられなければならないのではな....
「歳月」より 著者:宮本百合子
である。 常識というものは、いつでもそれぞれの社会の歴史が可能としている進歩の
最低限を示すとともに、それぞれの社会のもっている保守の最頂点を示しているものであ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
よい努力をも評価してまめに心を働かせなければならないということは、一般にはとかく
最低限をそれなり認めるという安易さにひきずりこまれ勝です。文学というものは、永い....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ゆっくり遊び日もなくて。
読書は、二十五日ごろから休んでしまいました。お手紙に
最低限なのに、とあり。これからは、
最低限は守るようにしようと思います。六十二頁(....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ああ足して見てこう引くと、こう引いてああ足すと、とやって小首をひねって居ります。
最低限の安定をどう求めるかという力学のようなことを考えているわけです。それの上に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
せるわけですから。ただ、貧乏は一層ひどくなりますから、どうぞあしからず。そちらの
最低限は(今ぐらい)何とかやりくれましょうが。マア何とかやってゆけるでしょう。こ....
「高原」より 著者:寺田寅彦
も不思議である。そうして多くの草の全体重と花だけの総体重との比率にはおおよそ最高
最低限度がありそうな気がしてこれも何かわれわれのまだ知らない科学的な方則で規定さ....
「南島譚」より 著者:中島敦
る。衣類が――昔は余り衣類をまとう習慣が無かったが、それだけに其の僅かの被覆物は
最低限の絶対必要物であった。――※《むし》り破られることは言う迄もない。大抵の場....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
三)その結果をかくの如く考えれば、その永久的結果は
(四四)利潤下落の傾向。ある
最低限が蓄積を奨励するに必要である
(四五)より以上の考察
第七章 外国貿易に....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
とえば軒の出の多い割合に軸部が低く屋根の勾配が緩慢で、塔身の高さがその広さに対し
最低限の権衡を示していること、あるいは上に行くほど縮まって行く軒のうちで第二と第....