最前[語句情報] »
最前
「最前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
最前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
《ひとみ》の光だった。彼はその瞳の持ち主と咫尺《しせき》の間に向い合った今、再び
最前の心の動揺を感じない訳には行かなかった。
「辰子《たつこ》さん。あなたまだ安....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
こ》の振舞《ふるま》いを致しました。」
治修はいよいよ眉をひそめた。
「そちは
最前《さいぜん》は依怙は致さぬ、致す訣《わけ》もないと申したようじゃが、……」
....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
の装置を胸にかけて、前方を、この聴こえない音波で摸索している。 二人の護衛は、
最前列に出て左右を確かめつつしずかにあるいている。 ホーテンス記者と水戸記者は....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、もすこしのことで悲鳴をあげるところだった。 家の中へ這入りこむと妙なもので、
最前までの気持とはガラリと変り、いやに気が落着いて来た。度重なる夜々の冒険が、僕....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
たが、演習もいよいよ峠が見えて来た四日目。場所は、退却を余儀なくされている青軍の
最前線にあたる土佐湾の南方五十|浬の洋上だった。 儂は、この青軍の航空母艦『黄....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
一度に、メラメラと燃え出した。焼夷弾が落ちたらしい。 焔に追われたような形で、
最前の、マスクを被った髯男と、マスクの代りに手拭様のもので顔の下半分を隠した例の....
「赤外線男」より 著者:海野十三
別の入口から、警官に護られて、潮十吉が手錠をガチャガチャ云わせながら入って来て、
最前列に席をとった。そこは、帆村探偵と白丘ダリアとが並んである丁度その横だった。....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
りないのでつい並べてしまったのですよ」 十三号車は、柩車のように黒い姿をして、
最前列の左端に停っていた。おそろしく古い型の箱型自動車だった。 運転手が下りて....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
こだよ、大切なところは。これほど真面目な重大な使命が、ほかにあるだろうか。国防の
最前線に立つ将校|斥候を、あえて君は不真面目というのか」 大佐の言葉は、一語一....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
えがないように見えた。杜の頸を巻いている彼女の腕がいきなりグッと締るかと思うと、
最前から彼の耳朶に押しあてられていた熱い唇が横に移動して彼の頬の方から、はては彼....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
す。その経緯は斯うなのでございます。 私が深い統一から覚めた時に、思いも寄らず
最前からそこに控えて待っていたのは、数間の爺やでございました。爺やは今日の鎮座祭....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
と大男が槍のさやをはらってとびかかるのをびっくりして逃げる時にふりかえって見ると
最前情をかけてくれた亭主である。出家は言葉かけて「私は出家の身でござるから命が惜....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
踏み出しているだけの修養が必要なことはもちろん、専門知識においてはまた常に世界の
最前線から一歩も遅れない用意が肝腎である。しかも絶えず撮影に関するあらゆる機械的....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
みたいな部屋でして、どうにも逃げる隙がない。そこでいろいろ考えたのですが、丁度|
最前の友達が死んで間もなくであったものですから、咄嗟に思いついてその友達の話をす....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
しゅうございまして、お話がききたい方の耳に届かないと思います。だいたいこの会場の
最前列には、新聞社の関係の方が取材においでになっているわけですけれども、これは取....