最早[語句情報] » 最早

「最早〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

最早の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
く、礼之進の靴は名誉の負傷で、揚々と引挙げた。 ゆえ如何となれば、お厭とあれば最早紹介は求めますまい、そのかわりには、当方から酒井家へ申入れまする、この縁談に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
登るほど急激に減ずるということが気圧計の観測によって証明されたのであった。従って最早デカルトの渦動説は捨てなければならないことになった。すべての天体は、あの、円....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
来る限り、手を尽くして捜したが、皆目|跡形が分らんから、われわれ友だちの間にも、最早や世にない、死んだものと断念めて、都を出た日を命日にする始末。いや、一時は新....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、という旅の少年。…… この明さんと、御自分の令室が、てっきり不義に極った、と最早その時は言訳立たず。鶴谷の本宅から買い受けて、そしてこの空邸へ、その令室をと....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
の時と、一段思付いて、遠くもござらぬ、新橋駅から乗りました。が、夏の夜は短うて、最早や十時。この汽車は大船が乗換えでありましての、もっとも両三度は存じております....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
カの方ではやや恐怖心を起して様子を見て居た。クサカの怖れは打たれる怖れではない。最早鋭い牙を、よしや打たれてもこの人たちに立てることが出来ぬようになったのを怖れ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
に対して、ものを打念ずる時の姿勢であると思ったから。 あわれ、覚悟の前ながら、最早や神仏を礼拝し得べき立花ではないのである。 さて心がら鬼のごとき目を※くと....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
最後の火の手の挙るのを眺めたのでございます。 『お城もとうとう落ちてしまった……最早良人もこの世の人ではない……憎ッくき敵……女ながらもこの怨みは……。』 そ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
霊運動の前には何物も抵抗すべくもない。世界で一番後一番後※しになった日本国でも、最早その傾向が顕著になった。慾にはここ両三年の努力で、日本をして、この運動のトッ....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
た。が、脈を打って吹雪が来ると、呼吸は咽んで、目は盲のようになるのでありました。最早、最後かと思う時に、鎮守の社が目の前にあることに心着いたのであります。同時に....
取舵」より 著者:泉鏡花
、船は再び危く見えたり。 「取舵!」と雷のごとき声はさらに一喝せり。半死の船子は最早神明の威令をも奉ずる能わざりき。 学生の隣に竦みたりし厄介者の盲翁は、この....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
な水瓶へ種々な物品を入れて、その上に多勢かかって、大石を持って来て乗せておいて、最早これなら、奴も動かせまいと云っていると、その言葉の切れぬ内に、グワラリと、非....
活人形」より 著者:泉鏡花
八蔵が今朝毒殺したわい。「ええあの方まで殺したのか。御方の失せさせたまいし上は、最早この世に望みは無し、と下枝は落胆気落ちして、「もう聞とうない、言とうない。さ....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
。 茫然としたままで、フレンチは署名をした。どうも思慮を纏めることが出来ない。最早死の沈黙に鎖されて、死の寂しさをあたりへ漲らしている、※のひろがった我目を引....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
射撃との関係を律する事は殆んど不可能に近い。すなわち一度停止して射撃を始める時は最早整然と発進せしむる事は云うべくして行ない難い。砲兵の威力は頼むに足らない。 ....