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月下
「月下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》を傾けたり。 「金さん」と女はなれなれしく呼びかけぬ。 馭者はいたく驚けり。
月下の美人|生面《せいめん》にしてわが名を識《し》る。馭者たる者だれか驚かざらん....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
らく》の別天地、親仁《おやじ》を下手《しもて》に控え、馬に面して彳《たたず》んだ
月下の美女の姿を差覗《さしのぞ》くがごとく、陰々《いんいん》として深山《みやま》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
十ばかり。推しものの痘痕は一目見て気の毒な程で、しかも黒い。字義をもって論ずると
月下氷人でない、竈下炭焼であるが、身躾よく、カラアが白く、磨込んだ顔がてらてらと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いだことについて、ここに改めて感謝の意を表しておきたいと思う。 昭和六年八
月下旬 本郷曙町に於て寺田寅彦....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
へ向う。 十一月十八日 ◯岡東弥生さん、飯田氏へ嫁ぎたり。 ◯朝子育郎両人昨十
月下旬、徹郎君所在の広島へ移る。(カゴシマより) 十一月二十六日 ◯朝、風少し....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
で、何をふらふら道草したか、汽車はもう遠くの方で、名物焼蛤の白い煙を、夢のように
月下に吐いて、真蒼な野路を光って通る。…… 「やがてここを立出で辿り行くほどに、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
は小親ハヤわれを待ちて、月を仰ぎて彳みたり。 頭巾着て肩掛引絡える小親が立姿、
月下に斜なり。横向きて目迎えたれば衝と寄りぬ。立並べば手を取りて、 「寒いこと、....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
に軽く晴れやかになった。身体ものびのびして大きくなったように思われた。門を出ると
月下の平橋には白い苫船が繋っていた。みんなは船に跳び込んだ。雙喜は前の棹を引抜き....
「山吹」より 著者:泉鏡花
童男、童女二人。よろず屋の亭主。馬士一人。 ほかに村の人々、十四五人。 候 四
月下旬のはじめ、午後。―― 場面。一方八重の遅桜、三本ばかり咲満ちたる中に、よろ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
音楽はないのである。 「衆生既信伏質直意柔軟、一心欲見仏、不自惜身命、」と親仁は
月下に小船を操る。 諸君が随処、淡路島通う千鳥の恋の辻占というのを聞かるる時、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
白髪は飛んで、翼は乱れた。あれよと見る間に、婆と軍鶏と、とんと当り、颯と分れて、
月下にただぐるりぐるりと廻った。 「汝、業畜生、」と激昂の余り三度目の声は皺嗄れ....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
ていましたが、その時春挙さんが、海辺に童子のいる絵を描かれました。私はその時、〈
月下美人〉という、尺八寸位の大きさの絹本に、勾欄のところに美人がいる絵を描いて出....
「西航日録」より 著者:井上円了
的わが国よりも軽きがごとく感ずれども、寒気の時期の永き点はわが国の比にあらず。三
月下旬鶯花の節において、なお霜風凍雨を見る。快晴の日は、十日または二十日間に一回....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
目に触るるなし。 茫茫支那海、唯見水連遠、満帆三伏風、 日沈暑威減、風転晩涼従、
月下船南進、雲涯是呂宋。 (ひろびろと果てしない支那海は、ただ水と空と連なってい....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
大王は墺国のシュレージエン回復計画の進みつつあるを知り、一七五六年開戦に決して八
月下旬ザクセンに進入、十月中旬頃ザクセン軍主力を降服せしめ、同国の領有を確実にし....