月下氷人[語句情報] »
月下氷人
「月下氷人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月下氷人の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
が)自分の家出の後仕末に立ち合ったひとなので、まるでもう、自分の更生の大恩人か、
月下氷人のように振舞い、もっともらしい顔をして自分にお説教めいた事を言ったり、ま....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
》です、それに反して私は、之がなくば秀子を我が物とする事が出来なんだかと思い之を
月下氷人とも崇め做すのです」と云いつつ其の手を取り上げて熱心に其の傷の所に接吻し....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
十ばかり。推しものの痘痕は一目見て気の毒な程で、しかも黒い。字義をもって論ずると
月下氷人でない、竈下炭焼であるが、身躾よく、カラアが白く、磨込んだ顔がてらてらと....
「海底大陸」より 著者:海野十三
でもあり、また随一の冒険児でもあったのだ。そして海底大陸とわが人類との間をむすぶ
月下氷人のような役割さええんじていたのだ。ちょうど、わが人類側からの連絡使節が、....
「蒲団」より 著者:田山花袋
もこの恋を遂げたいとの切なる願望。時雄は芳子の師として、この恋の証人として一面|
月下氷人の役目を余儀なくさせられたのであった。 芳子の恋人は同志社の学生、神戸....
「罠を跳び越える女」より 著者:矢田津世子
馳走してくれんかな。今からお嫁入りの仕度とは殊勝な、どうだね、前川さん、この私の
月下氷人じゃァ、ハハハハ、気に入らんというのかな。」 眼鏡を上下に揺すって、部....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
からなあ。まあいいさ、――弟のやつも女房のやつも、たんと瞞くらかされるがいいや。
月下氷人という役がどんなに難かしいものか、第一課でうんと手を焼いてみるがいいや。....
「二面の箏」より 著者:鈴木鼓村
運の基であった。 両親は頗る喜んで早速この由を先方へ通ずる、そこで、かたの如く
月下氷人を入れて、芽出度く三々九度も終ったというわけだ。 男というのは当時某会....
「白い道」より 著者:徳永直
、つまるところはですナ、ご両人でよろしくやってもらうよりないんだよ。わしはその、
月下氷人でネ、これからさきは知らんですよ――」 それで深水が笑うと、彼女も一緒....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
、――ハイカラの張本人ここにありと云わなければならない。 面白いのはこの日の「
月下氷人」格の府知事大久保一翁で、この人はかねて大の刀剣通の、その蒐集する刀の蔵....