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月並み
「月並み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月並みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
驚嘆している。
作家所生の言葉
「振っている」「高等遊民」「露悪家」「
月並み」等の言葉の文壇に行われるようになったのは夏目先生から始まっている。こう言....
「或る女」より 著者:有島武郎
、木部は二十五という若い齢《とし》で、ある大新聞社の従軍記者になってシナに渡り、
月並みな通信文の多い中に、きわだって観察の飛び離れた心力のゆらいだ文章を発表して....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
し、お通夜も気になったし、素姓をかぎつけたのを好餌にして釣ろうという春隆のワナは
月並みで俗悪だったから、余りに見えすいてもいた。 ところが、わざわざそのワナの....
「世相」より 著者:織田作之助
である。溝《どぶ》の中に若い娘の屍体が横たわっているという風景も、昨日今日もはや
月並みな感覚に過ぎない。老大家の風俗小説らしく昔の夢を追うてみたところで、現代の....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
像にお任せしましょう」 「じゃ、オカピか、ゴリラかね」 「はっはっはっは、そんな
月並みなものなら、お引き止めはしませんよ」 座間はただ、さも思わせぶったように....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
きたわけ者。天下無類の愚か者。それがしは、今日今宵この刻まで、人並、いやせめては
月並みの、面相をもった顔で、白昼の往来を、大手振って歩いて来たが、想えば、げすの....
「道」より 著者:織田作之助
ひねっている。 もっともこういうことは言っていた。胸の病いなんてものは、ひどく
月並みな言い方だが、よほど芯の弱い者でない限り気持のもち方ひとつ、つまり精神で癒....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
見れば、お前じゃないか。……声まで顫えて、なるほど一枚ではさぞ寒かろうと、おれも
月並みに同情したが、しかし、同じ顫えるなら、単衣の二枚重ねなどという余り聴いたこ....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
の侮辱を俺たちに与えながら、神様よりも威張ってやがる。おまけに、勝って威張るのは
月並みで面白くないというので負けそうになってから、ますます威張り出しやがった。負....
「神経」より 著者:織田作之助
破ろうとして大胆不敵な「ユリシイズ」を書いたが(「……」と彼は言った)などという
月並みな文章がやはりはいっていて、何から何まで小説の約束から逸れるというわけには....
「中毒」より 著者:織田作之助
いる時はせめて煙草のにおいをなつかしもうと思った。バットやチェリーやエアシップは
月並みだと思ったが、しかし、ゲルベゾルテやキャメルやコスモスは高すぎた。私はキン....
「道なき道」より 著者:織田作之助
面の眼のようであった。虚無的に迫る青い光を、底にたたえて澄み切っているのである。
月並みに、怜悧だとか、勝気だとか、年に似合わぬ傲慢さだとか、形容してみても、なお....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
都はますます美しく、まるで嘘のようであり、大阪の薄汚なさが一層想われるのである。
月並みなことを
月並みにいえば、たしかに大阪の町は汚ない。ことに闇市場の汚なさとい....
「秋深き」より 著者:織田作之助
か、近頃の女はなぜこんな風に、なにかと言えば教養だとか、筆蹟だとか、知性だとか、
月並みな符号を使って人を批評したがるのかと、うんざりした。 「奥さんは字がお上手....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
しながら、若い生涯を終ってしまったのである。その姉のさびしい生涯を想えば、もはや
月並みな若い娘らしい幸福に甘んずることは許されず、姉の一生を吹き渡った孤独な冬の....