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「月代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

月代の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
おもり》を投げこみました。すると三浦はしばらくの間、私の問が聞えないように、まだ月代《つきしろ》もしない御竹倉《おたけぐら》の空をじっと眺めていましたが、やがて....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
《がん》が鳴いて通った。 次郎左衛門も今夜はすぐに吉原へ行かなかった。あしたは月代《さかやき》でもして、それから改めて出かけるつもりであった。もう再び故郷の佐....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、ちっとばかりの古道具をならべている夜店が出ていました。芝居に出る浪人者のように月代を長くのばして、肌寒そうな服装をした四十恰好の男が、九つか十歳ぐらいの男の子....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
老物語』にあるが、戦い敗れた後の重成の従容たる戦死の様が窺われる。 重成の首は月代が延びていたが異香薫り、家康これ雑兵の首にまぎれぬ為の嗜、惜む可きの士なりと....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
るようと、手を合せる、それも遊び半分。 六月の十五日は、私の誕生日で、その日、月代を剃って、湯に入ってから、紋着の袖の長いのを被せてもらいました。 私がと言....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
あたかもその時、役者の名の余白に描いた、福面女、瓢箪男の端をばさりと捲ると、月代茶色に、半白のちょん髷仮髪で、眉毛の下った十ばかりの男の児が、渋団扇の柄を引....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
人をグルリと取り巻いている、町の人達の間を分けて、痩せぎすで長身くて色が白くて、月代が青くて冴え冴えとしていて、眼に云われぬ愛嬌があって、延びやかに高くて端麗な....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
とその戸が横へ引かれる。 「乃信姫殿か」 「主水様」 内と外とで二声三声。……月代の跡も青々しい水の垂れそうな若侍がツト姿を現わした。鶯谷で姫を救った深編笠の....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
たのである。 現われた武士は浪人らしくて、尾羽打ち枯らした扮装であって、月代なども伸びていた。朱鞘の大小は差していたが、鞘などはげちょろけているらしい。....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
処が不良という事無しに、唯ぶらぶらの病に均しく、腑抜けのように日を暮らしていた。月代毛も延びた。顔色も蒼白く成った。眼の窪んだのが自分ながら驚かれるので有った。....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
がら、紺地に金泥で唐詩を摺った扇子で、海からの風の他に懐中へ風を扇ぎ入れるのは、月代の痕の青い、色の白い、若殿風。却々の美男子であった。水浅黄に沢瀉の紋附の帷子....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
一向酔ったような顔はしていなかった。色は青味を帯びた、眉毛の濃く、眼の鋭い、五分月代毛を生した、一癖も二癖もありそうなのが、 「お武家様、失礼ながら、大分御酒は....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
表情をしては、切出しかねて、又見えなくなった。しかもその顔色が土気色をしていて、月代が延びて、髪の結びもみだれて、陰気この上もない挙動なのであった。何か村方の秘....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ゃの毛はまだ黒いが、その年紀ごろから察するに、台湾云々というのでない。結髪時代の月代の世とともに次第に推移ったものであろう。 無地の紬の羽織、万筋の袷を着て、....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
いわなければならぬ。 今試みに「蟻と蝉の話し」の一節を引用する。挿絵には、頭の月代の所に蟻を戴いた亭主が妻子と共に梨のシンや茄子のヘタなどを乾して日和ぼこりを....