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月余
「月余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月余の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
は固く守られて、くるわに近いこの隠れ家に大菱屋の眼はとどかなかった。こうしてひと
月余りも送るうちに、六月の土用も明けて、七月の秋が来た。 きょうは盂蘭盆の十三....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を一々聞き洩らすまいとするように、彼は絶えずその耳を働かせていた。 それから半
月余りは何事もなくて過ぎた。二月に入っていよいよ暖かい日がつづいて、ほんとうの蝶....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この捌きには、土地の役人共も頭を悩まして、例の「御伺」を江戸へ差し立てると、ひと
月余りの後に「御差図書」が廻って来た。江戸の奉行所の断案によると、かの七人の者ど....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
どで、吉田君の手を摩擦してあげる元気がなかった。 山を下ってから、吉田君は一カ
月余も入院していた。私は吉田君のお父さんに「あんたと一緒だというから安心していま....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
海からの帰り途で近藤栄蔵が捕まった。新聞はこれを機会にして止した。 栄蔵は一カ
月余り監獄にいて、出て来ると山川とだけに会って、その妻子のいる神戸へ行った。そし....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
は数倍も多かった。 僕はこの病監で、自分が囚人だということもほとんど忘れて一カ
月余り送った後に、足の繃帯の中に看護人等の数本の手紙を巻きこんで出獄した。 し....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
なんだ」 「………」朔郎は機械人形の様に頷いた。 「そして厨川君は、それ以外の三
月余りの間を、絶えず夢を語らせては、その精神分析に依って、胎龍の脳髄中に成長して....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
るのだもの、病気にはごく弱い僕のことだ。本当にほとほと弱り込まされた。その後二カ
月余りにもなって、まだ通じもかたまらず、食欲も進まない。雨でも降って少し冷えると....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
いくらい。 文子は三日いて客といっしょに大阪へ帰った。私は間抜けた顔をして、半
月余りそわそわと文子のことを想っていましたが、とうとうたまりかねて大阪へ行きまし....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
を受けて彼の命を奪《と》られたことや、幾人の青年は暗殺に失敗して監獄に入れられ、
月余の苦刑を受けたことや、幾人の青年は遠大の志を抱きながら、たちまち行方不明にな....
「勝負師」より 著者:織田作之助
ところが、南禅寺でのその対局をすませていったん大阪へ引きあげた坂田は、それから一
月余りのち、再び京都へ出て来て、昭和の大棋戦と喧伝された対木村、花田の二局のうち....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
一家相伝の極意秘伝を停滞なく受けていなければ成らぬのが、意外な支障に引掛って、三
月余りを殆ど囚虜の身に均しく過ごしたのであった。 常陸の国、河内郡、阿波村の大....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
乱したりして、きっと口答試問ではねられてしまうわ。」 と心配したが、それから一
月余り経ったある朝の新聞の大阪版に、合格者の名が出ていて、その中に田村道子という....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
惑の色がただよって見え、何となく憂鬱な空気にとざされていました。殊に智恵子は一ヶ
月余り見ない間にすっかり瘻れ果てて、物凄いように青ざめていました。私は中の話を聞....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
を持つ富豪の家庭を頻々と脅かしているのである。 この訴えを聞いてから早くも一カ
月余りになるが、未だに犯人の目星さえつかず、あせりにあせっている矢先、またしても....