月桂樹[語句情報] » 月桂樹

「月桂樹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

月桂樹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
クララの出家」より 著者:有島武郎
ひしと群集がひしめいていた。祭壇の前に集った百人に余る少女は、棕櫚の葉の代りに、月桂樹の枝と花束とを高くかざしていた――夕栄の雲が棚引いたように。クララの前には....
きりぎりす」より 著者:太宰治
んな美しい人がいる筈だ、と私は、あの頃も、いまもなお信じて居ります。その人の額の月桂樹の冠は、他の誰にも見えないので、きっと馬鹿扱いを受けるでしょうし、誰もお嫁....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
。その日も暮れて、暗くて暑い、『死せるがごとき』セヴィリヤの夜が訪れた。空気は『月桂樹とレモンの香に匂《にお》って』いる。深い闇の中で、不意に牢獄の鉄扉があいて....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
をやさしくからみあっていました。かわいらしい半裸体のこどもらが、道ばたの香り高い月桂樹の林のなかで、まっ黒なぶたの群を飼っていました。もしこの景色をそのまま画に....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていた。劇場のありさまはあたかも祭典のようだった。舞台は樫《かし》の枝や花咲いた月桂樹《げっけいじゅ》で飾られていた。多少手腕のある音楽家は皆、管弦楽団に加わる....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
強《し》いるかのようにしつらえていた。花瓶《かびん》にいけた薔薇《ばら》と一枝の月桂樹《げっけいじゅ》とを、テーブルの上にのせておいた。机の上には真新しい吸取紙....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かしながら、激しい闘《たたか》いによってのみ得られる享楽であり、力の勝利を冠する月桂樹《げっけいじゅ》である。芸術とは、征服せられたる人生なのだ。人生の帝王なの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の間から伸び出てる、二株のリラ、運河を見おろす覧台《テラース》の上に花咲いてる、月桂樹《げっけいじゅ》と柘榴《ざくろ》との鉢《はち》、時としては、近くの広場に開....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
することは、まさしく正当の権利であると。しかしながら、われわれはそれを信じない。月桂樹《げっけいじゅ》の枝を折り取ることと死人の靴を盗むこととは、同一人の手には....
自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
同を引き止めた。 「奴等は家には入らない、そら左の方に足跡がある。これからずっと月桂樹の横の方に、――ああ、云わないこっちゃなかった、――」 彼がこう云う途端....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
りますか。羅馬の婦人は、男の腰骨を疲れさせるばかりではなかったそうです。凍らせた月桂樹の葉で、手頸の脈管を切ったとか云いますからね」 「なに、それでは僕が、その....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
と怒りと悲しみとを、不思議を見たる瞳に充たせ、ものも云わずに柩を送ります。そして月桂樹の冠はFなる魔法使いの頭に落ち、Fなる魔法使いは、その名誉ある冠を以て、空....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
無いのです。 ファウスト いや。勝軍のかがやきのうちに 死が血に染まった月桂樹の枝を顳※に纏う人、 急調の楽につれて広間を踊り廻った揚句に、 少女の腕に....
かき」より 著者:神西清
いない。そして、海の生きものというからには、それを使って、かおりの高いこしょうや月桂樹の葉を入れた、とてもおいしい熱いスープだの、軟骨を入れたややすっぱい肉のス....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
た。それがすむと彼は窓をあけて外をみた。すぐ下に小庭があって、そこに二株ばかりの月桂樹が、枯れもしないで枝をのばしていた。鼠のむくろはどこにも見えなかった。夜の....