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月花
「月花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月花の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
たちは、しばらく黙ってバルコニイに立っていたが、ふいと君が、お隣りの越後獅子は大
月花宵という有名な詩人だという事を言い出したので、竹さんの事も何も吹っ飛んでしま....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
が一人でもできれば喜ばしいことである。 (昭和六年八―十月、渋柿) 六
月花の定座の意義 連句の進行の途上ところどころに月や花のいわゆる定座《じょうざ....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
嫌い差合の法式が定められ、人情の句の継続が戒められる。放逸乱雑を引きしめるために
月花の座や季題のテーマが繰り返される。そうして懐紙のページによって序破急の構成が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
y であり、その下に Flower という字がついているから、直訳してみれば「五
月花丸」というのが至当だけれども、日本語としては不熟の嫌いがある。「五月雨丸《さ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
支えないと考える。もっとも有ることはあるのだから、大方黒百合が咲いてるだろう。夏
月花ありという時節もちょうど今なんだけれども、何かね、本当にあるものなら、お前さ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
くひん》の巨藩である。
しかも藩主大膳亮が刀剣を狂愛するくらいだから、よしや雪
月花を解する風流にはとぼしいといえども気風として烈々|尚武《しょうぶ》の町であっ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
の願いなのです。この二階が観潮楼です。 崖の見晴らしに建てたのですから、俗に雪
月花によしというわけで、両国に花火のある夜などは、わざわざ子供を連れて見せに行っ....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
を得た時のことを思い合わせまして、今度皇太后陛下にお納め申し上げました三幅対「雪
月花図」とは、今日までの私の長い画家生活中に、対照的な双つの高峰を築くものだと考....
「画道と女性」より 著者:上村松園
ったろうか。最初の気持では、今の皇太后陛下が皇后宮に居られた頃に御下命を承った雪
月花三幅対の図がすでに小下図を差し上げて御内覧まで得ていながら伸び伸びとなってい....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
、上納申し上げるようにという御用命を拝したのでございました。早速、構想を練り「雪
月花」の三幅双の小構図を美濃紙に描き、伯爵を通じてお納めいたしますと、「これでよ....
「ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
宝露もこぼさずすなおなる竹の葉影に組重ねあかぬ契りのあかしにはあけの唇ぬっくりと
月花みゆきひとのみに傾け捧げ乱れざしヨイヨイヨイヨイヨンヤサソレヘ それに、作....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
中の立廻りが評判であった。暗やみのだんまりは珍らしいというのである。浄瑠璃は「雪
月花」で、団十郎の鷺娘や保名も好評であった。しかしその中で最も好評を博したのは一....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
る。かような馬鹿馬鹿しい無益な興味の外《ほか》に、また一ツ昔の地図の便利な事は雪
月花《せつげつか》の名所や神社仏閣の位置をば殊更目につきやすいように色摺《いろず....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
中の雪峰はまた一段の眺めでございます。道のあちらこちらにはパル(匂いある黄色の皐
月花)、スル(同じ赤皐月)その他いろいろの草花に雫の溜って居る様は、あたかも璧を....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
すでに悲しき 遊義門院 秋のきて身にしむ風のふく頃はあやしきほどに人ぞ恋しき
月花門院 右の内で、伏見院はことに新古今風の自然観照歌にすぐれさせられ、御歴代....