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月足らず
「月足らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
月足らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
差し詰まった問題から、次第に人事のコザコザした相談へと落ち付いて来たその間が二ヶ
月足らずという事になる。 警視庁の人事相談所開始当時(大正十二年十月)は流石《....
「わが町」より 著者:織田作之助
お内儀の手を借りて、初枝を寝かすなり、直ぐ飛んで行って産婆を自身乗せて来たので、
月足らずだったが、子供は助かり、その代り初枝はとられた。 「えらい因果なこっちゃ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
据えながら、徐々に訊問をした。 支倉はスラ/\と彼の罪悪を自白した。 彼は一
月足らず警察を嘲弄しながら逃げ廻った後神楽坂署に拘禁されて、彼の言葉を借りて云う....
「縮図」より 著者:徳田秋声
彼は銀子の顔を見ながら、 「君も十七になったわけだね。」 「十七だか十八だか、私
月足らずの十一月生まれだから。」 「ふむ、そうなのか。それにしてはいい体してるじ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
かつて庸三が丘に黄金色の蜜柑が実るころに、弟子たちを引き連れた友人とともに、一ト
月足らずも滞在していたころの面影はなくなって、位置も奥の方を切り開いて、すっかり....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
は、実はまだ充分倫理学的な夾雑物から自由になっていない。之は倫理学と社会科学とが
月足らずの双生児として癒着したようなものだ。夫は即ち、まだ本当に社会科学的な道徳....
「或る女の手記」より 著者:豊島与志雄
自分の過去のこと未来のことを思った。未来は茫として霞んでいた。 私の病気は一ヶ
月足らずのうちに快癒した。予後の保養のためにぶらぶらしているうちに、十二月半ばの....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
はむろんおぼえはなかったが、何でも母親の胎内に八月しかいなかったらしい。いわゆる
月足らずで、世間にありがちな生れだったけれど、よりによって生れる十月ほど前、落語....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
も、兄の性格的な暗さはどうにもならないのであろうか。 しかし、兄の新婚後、二ヶ
月足らずで克子もお嫁に行ったから、兄夫婦の生活の内部のことは深く立ち入って知る機....
「暗号数字」より 著者:海野十三
た。これによると、割り算が三段となって、一段殖えた。 帆村は躍起となって、この
月足らずの割り算に注意を向けた。第三段目に□9□□という四位の数字が殖えたが、こ....
「地上」より 著者:島田清次郎
とする哀れな破廉恥な自分を見つめて二年の年月を送った。あるときはお信が懐妊して三
月足らずで流産したとき、容太郎はその闇から闇へ往く生命が誰の子であるかを考えて狂....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
器の修繕だ。 空気は前に空気孔を発見したので、二月間は支える事を得るが食料は一
月足らずしか貯蓄がないのだから、どうしてもそれまでにはこの飛行器を修繕しなければ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
き、七時半に艀舟で本船ジェネラル・ウェルダーの出帆するのを見送りました。在京は一
月足らずでした。 思えばエリスも気の毒な人でした。留学生たちが富豪だなどという....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
な、朝夕、往復することができるたのしさなども語りました。 私たちはこれから一と
月足らずの間は正夫さんと毎日一つ家でたのしく暮らされるのです。ながいあいだ、私を....
「わが町」より 著者:織田作之助
、他吉にもわかり、初枝を寝かすなり、すぐ飛んで行って、産婆を自身乗せて来たので、
月足らずだったが、子供は助かり、その代り初枝はとられた。 二人の死亡届と出産届....