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有り勝ち
「有り勝ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有り勝ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
独りだけで古典思慕に入り込んだ独《ひと》り言《ごと》になっている。好古家の学者に
有り勝ちなこの癖を始終私は父に見ているのであまり怪しまなかったけれども、二人で始....
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
陥ったのであろう。とうとう恐ろしい殺意を決するに到った。 オナリ婆さんは老人に
有り勝ちな一種の脅迫観念に囚《とら》われていたらしかった。オナリ婆さんは村中の人....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
で、お紺婆に育てられて、尤も一時は大分放蕩をした様ですが夫も若気のいたずらで随分
有り勝ちの事、其の頃から今までも一通りの取り調べは附いて居ますが、別に紳士の身分....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の、どちらかと云えば小作りの、色の白い、眼付きの涼しい、屋敷勤めの中小姓などには
有り勝ちの、いかにも小賢《こざか》しげな人物であって、自分の供をして出た主人を見....
「家霊」より 著者:岡本かの子
もので、毎日どじょうでも食わにゃ全く続くことではない」 老人もよく老名工などに
有り勝ちな、語る目的より語るそのことにわれを忘れて、どんな場合にでもエゴイスチッ....
「霊感!」より 著者:夢野久作
慮や妥協の利く行き詰まり状態とは全然程度が違っておりました。 その児は男の子に
有り勝ちの母親|肖で、実に可愛らしく丸々と肥っておりましたが、どうしたものか生れ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
に来た。字劃や点を平気で増減していて、青年期へ入ったばかりの年齢の現代の若ものに
有り勝ちな、漢字に対する無頓着さを現わしていたが、しかし、憐れに幼稚なところもあ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
に人となり、且つ平生若き女性に接する機会を有する文弱明敏、且つ発育円満なる少年に
有り勝ちの特徴として事件発生前より、既に十分の性的充実を来しおりたるも、その母性....
「創作人物の名前について」より 著者:夢野久作
う素人俳句が記憶に残っているが、そんな工合で或る地方の出来事を書くに、その地方に
有り勝ちの名前ばかりを使って事件を運べば、非常によく実感が出る筈であるが、そこま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い、人を捨てれば船が廃《すた》るという場合、創業の時代には得てしてそういう経験は
有り勝ちだが、最後までそれであってはなるまい」 「無論、あんなのはおっぽり出して....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
戸をとじ、それからしとやかに障子をしめた。 見れば手箱を持っている。 乙女に
有り勝ちの好奇心が、彼女の心に湧いたのであろう、燈火の前へ坐りこむと、先ず髪から....
「魔都」より 著者:久生十蘭
があった。といったところが別に驚くほどのものではない。むしろこんな場所には極めて
有り勝ちなものである。廻りくどいことをいうのをよして簡単にいえば、それは瓢竹斎の....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
荷物は、日に幾つとなく停車場を通過する。特に今のような狩猟のシイズンには、これは
有り勝ちなことで、それにアリゾナ州は狩猟地でもある。勿論、そんな物を簡単な方法で....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
には附き物の大きな畝りどころか、小皺一つ無い海面だ。尤も、斯うした早春の静夜には
有り勝ちの、水に近く、一めんに浅霧《ヘイズ》が立ち罩めていたのかも知れない。それ....