有り触れた[語句情報] » 有り触れた

「有り触れた〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有り触れたの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、これは別に底蓋を作って、その上に被《かぶ》せるように仕掛けてあった。ただ見れば有り触れた木魚であるが、その口から何物かを※《さ》し込めば、底蓋の上に落ちて自由....
復讐」より 著者:夢野久作
ならば試しに、この事件の三ツの要素を、一ツ一ツに分解して考えて御覧なさい。そんな有り触れた殺人事件なぞより数層倍恐ろしい……戦慄すべき出来事となって、貴方がたの....
伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
れようと思いきるには余程の決心がいったろう。彼にそんな決心をさせた原因は、世間に有り触れた媒酌という一つの行為にすぎない。日下部はその親心を身につまされて感じた....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
身上じゃないか。ねッ。そうだろう。 ところがだ。吾輩の探偵小説というのはソンナ有り触れた種類の筋書とは断然ダンチガイのシロモノなんだ。すなわち「脳髄ソノモノ」....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
いことで御座いますよ。何千という人間が衣食に窮しているのです、何十万という人間が有り触れた生活の慰楽に事を欠いているので御座いますよ、貴方。」 「監獄はないので....
かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
中に多い物語などをおりおり取り上げて、その端《はし》などを読んで見ると、ずいぶん有り触れた空言《そらごと》さえ書いてあるようだから、自分の並々ならぬ身の上を日記....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
うである。但しかの通源寺はお兼の菩提寺ではなかった。お兼の頸にまかれていたのは、有り触れた瓶のぞきの買い手拭で、別に手がかりとなるべき物ではなかった。 せがれ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
添削でも乞わるるのかな。」 女がこれから持ち出そうとする問題は、なかなかそんな有り触れた手軽いものではないらしかった。かれはしばらく口籠って、床の下に鳴き弱る....