有余[語句情報] » 有余

「有余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有余の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
予後の衰弱のため、その日永眠せり。斯くの如く、余は幹枝に天女の一生を描かせ、一年有余の陶酔を貪りたるものなれば、その終焉の様を記憶すべく、坐魚礁研究所を失楽園と....
婦系図」より 著者:泉鏡花
が焦げて、小児が泣く。町内迷惑な……その、男女交際会の軍用金。諸処から取集めた百有余円を、馴染の会席へ支払いの用があって、夜、モオニングを着て、さて電燈の明い電....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
戦前記 京都から岐阜に帰って準備を整えた信長は、六月十九日二万有余の大軍を催して、岐阜を立ち、二十一日早くも浅井の本城なる小谷に迫って町家を焼....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
なのが、二人ずれ、翌日、水の引際を、炎天の下に、大川|添を見物して、流の末一里|有余、海へ出て、暑さに泳いだ豪傑がある。 荒海の磯端で、肩を合わせて一息した時....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
無理に白糸を上座に直し、膝を正し、きちんと手をつく。 欣弥 一別以来、三年、一千有余日、欣弥、身体、髪膚、食あり生命あるも、一にもって、貴女の御恩…… 白糸 (....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
支天を安置し、これに冊く山伏の住える寺院を中心とせる、一落の山廓あり。戸数は三十有余にて、住民|殆ど四五十なるが、いずれも俗塵を厭いて遯世したるが集りて、悠々閑....
黒百合」より 著者:泉鏡花
仏蘭西の公使館づきであったから、勇美子は母とともに巴里に住んで、九ツの時から八年有余、教育も先方で受けた、その知識と経験とをもて、何等かこの貴公子に見所があった....
星女郎」より 著者:泉鏡花
錣頭巾を取って被き、薙刀小脇に掻込んだ、面には丹を塗り、眼は黄金、髯白銀の、六尺有余の大彫像、熊坂長範を安置して、観音扉を八文字に、格子も嵌めぬ祠がある。ために....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
少しも惜いとは思わない。私は這般の大震災で世界の各地から蒐集した再び得がたい三千有余の珍らしい玩具や、江戸の貴重な資料を全部焼失したが、別して惜しいとは思わない....
獄中消息」より 著者:大杉栄
の先きの小著『万物の同根一族』などはそのきわめて小なる部分です。 私はこの二年有余の長い獄中を、せめてはこの研究の完成によって慰められたいと思っています。もと....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
」 すなわちこれが証拠である。 「七歳ヨリ綴ル所ノ詩筆、四十|載、向フ矣、約千有余篇」 こんなことも書いてある。 開元十九年二十歳の時、呉越方面へ放浪した....
中支遊記」より 著者:上村松園
上海にて 仲秋まる一ヵ月の旅であった。六十有余年のこの年まで十日以上にわたる旅行はしたことのない私にとって、よく思いたった....
三枚続」より 著者:泉鏡花
積累ねた、五ツの屋の棟、三ツの蔵、いろは四十七の納屋を構え、番頭小僧、召使、三十有余人を一家に籠めて、信州、飛騨、越後路、甲州筋、諸国の深山|幽谷の鬼を驚かし、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
必ず廃業するから」といって餞別にしてくれました。その約束通り私が出立してから一年有余の後にかの鶏商を断然廃業して今の商売に移られたのです。 これらの事は普通の....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
る内閣であります。その内閣が、同じ特別国会に於て不信任案が提出され、その間五カ月有余というのでありますから、いかに吉田内閣が独立日本の要望にこたえ得ず、その立っ....