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有機体
「有機体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有機体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
かなければならない。要するに「いき」な味とは、味覚のほかに嗅覚や触覚も共に働いて
有機体に強い刺戟を与えるもの、しかも、あっさりした淡白なものである。しかしながら....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ん。そこで僕は、スペードの王様という言を出したのです。何故なら、精神全体を一つの
有機体だとすれば、当然そこから、物理的に生起して来るものがなければならぬからです....
「死生」より 著者:幸徳秋水
是れ太陽の運命である、地球及び総ての遊星の運命である、況して地球に生息する一切の
有機体をや、細は細菌より大は大象に至るまでの運命である、これ天文・地質・生物の諸....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
手首の柔らかいということは無節操でもなければ卑屈な盲従でもない。自と他とが一つの
有機体に結合することによってその結合に可能な最大の効率を上げ、それによって同時に....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
が変わったり、ともかくもその付近の細胞にとっては重大な事件が起こる。それが一つの
有機体であるところの身体の全部にたとえ微少でもなんらかの影響のないはずはなさそう....
「天災と国防」より 著者:寺田寅彦
時にその損害の余響を受けるであろう。 二十世紀の現代では日本全体が一つの高等な
有機体である。各種の動力を運ぶ電線やパイプやが縦横に交差し、いろいろな交通網がす....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
これが現代の科学的方法の長所であると同時に短所である。この両者は実は合して一つの
有機体を構成しているのであって究極的には独立に切り離して考えることのできないもの....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
太陽の運命である。地球およびすべての遊星の運命である。まして地球に生息する一切の
有機体をや。細は細菌より、大は大象にいたるまでの運命である。これは、天文・地質・....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
り、底になにが沈澱していることだろう?――すると、色彩と系統をまったく異にした一
有機体に、私はいま直面している探検意識を感ぜずにはいられない。男は足早に、女は食....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
ンの自我自現説もフィヒテをつぐ人格主義の系統である。彼によれば人間の目的は動物的
有機体にもとづく快楽や、欲求を満足せしめることに存しない。人間の目的は神的意識の....
「帝展を見ざるの記」より 著者:寺田寅彦
じたりする人はいくらでもある。しかし誰もその不合理を咎める人はない。帝展も一つの
有機体であって生きているものである以上は去年と同じであるはずはない。「生きるとは....
「決闘」より 著者:神西清
聞いたことだが、黒海には動物がきわめて乏しいそうだ。海底に硫化水素が過剰なため、
有機体の生活は不可能だという話だ。だから真面目な動物学者はみんなナポリやヴィルフ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
万物はみな一定の時間これを使用すれば、いくぶんの消耗を実質の上にきたすものなり。
有機体において、その身体の一部分を使用すれば疲労を生ずるもの、すなわちこれなり。....
「審判」より 著者:カフカフランツ
を変革しても、足下の地面を踏みはずして自分が墜落するだけのことであり、その大きな
有機体のほうはちょっとした妨害に対しては容易にほかの場所で――いっさいが結びつい....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
を以て答えているです。私の考ではこれがそもそも生活と名づくべきものだろうと。また
有機体が下等に成れば成るだけ、より少く物を感ずるのであろうと、それ故により弱く刺....