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有機的
「有機的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有機的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
。両者の関係は、部分が全体に先立つ機械的構成関係ではなくて、全体が部分を規定する
有機的構成関係を示している。それ故に、一民族の有する或る具体的意味または言語は、....
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
少年は身をもがいて逃れようとした。しかし子供の数は十人にも近い、しかも各員が皆
有機的に働いているのでどうともすることができない。 「奴にいもりを食わしてやろけ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
に何等かの矛盾を感ずることはありませんか。 × 私は自分自身を
有機的に生活しなければならない。そのためには行為が内部からのみ現われ出なければな....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
業化する。大研究機関の新設は固より必要であるが、全日本の研究機関を、形式的でなく
有機的に統一し、その全能力を自主積極的に発揮させるべきである。 最終戦争のため....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
したあの方の遺骸には、一顧の価値もございませんけれど、なんとなく私には、無機物を
有機的に動かす、不思議な生体組織とでも云えるものが、この建物の中に隠されているよ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
らの生命は情意からばかりはできていない。生命は知情意を統一したる分かつべからざる
有機的全体である。われらの情意が芸術のはなやかな国に、情緒生活の潤いを追うてあこ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
はわしのこれまでの研究によって推察すると、どうやら竜骨座密集星団系から出て来た非
有機的生物――というと地球の学者たちは一言のもとに馬鹿なというかもしれないが、と....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
、甘えることも許しはしない。しかし人と人とのつながりとはこうした機微がなくては、
有機的に融け合うものでないのではあるまいか。 尊いものとして、幼ない心に沁みつ....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
して終始すべきであつて、そこに善悪の観念の交叉する余地はないはずである。しかし、
有機的生活体としての人間の行動を純理的に分析することはまず不可能といつてよい。す....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
たいことは、社会というものは個人と個人との結合であるばかりでなく、団体と団体との
有機的な接触から成り立つているもので、一個人は、つねになにかのかたちで、それぞれ....
「決闘」より 著者:神西清
民族及び時代を通じて頗る共通性があるところを見ると、どうやら僕には、それが人間と
有機的に結合しているものと認むべきもののように思われるな。あれは考え出されたもの....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
霊画というモティフも、おのずと生れて来たわけで、画法の変遷と、モティフの興廃とは
有機的に混一しているものである。徳川中期以前はつまり、その画法なり画的興味なりが....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
は、最も根本のものは模造は第二で装飾が根元である。模造の本能とこの装飾の本能との
有機的な必然的な一致が写実芸術の原因である。即ち内なる美と外界の形象との合一が「....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
室の中に閉じ籠めてはならない。それをあるがままの環境に置き、その環境との自然的な
有機的な交流に於いて、その生態を捉えなければならない。――彼の抱いていたリアリズ....
「読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
す。 その人の生れたところの風土や、また生活状態等が文章と離れることのできない
有機的関係を持つといわれるのも、考えれば、当然のことであります。私達はそこに、文....