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有無
「有無〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
有無の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
た。元来天下に国籍くらい、面倒臭いお荷物はない。ただ支那と云う国籍だけはほとんど
有無《うむ》を問《と》われないだけに、頗《すこぶ》る好都合《こうつごう》に出来上....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
、やはりはっきりしないのですよ。たとえばある連中によれば『善悪は滋養《じよう》の
有無《うむ》なり』と云うのです。が、またほかの連中によれば『善悪は味《あじわい》....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ん歩いたりしゃべったりするのです。なんでもチャックの話では出産後二十六日目に神の
有無《うむ》について講演をした子どももあったとかいうことです。もっともその子ども....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ても、未《いまだ》に兵衛は見えなかった。喜三郎はいら立って、さりげなく彼の参詣の
有無を寺の門番に尋ねて見た。が、門番の答にも、やはり今日はどうしたのだか、まだ参....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
とまれに川を上って来るが、どの船もひっそりと静まって、舵《かじ》を執《と》る人の
有無《うむ》さえもわからない。自分はいつもこの静かな船の帆と、青く平らに流れる潮....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
竹であり、蔦《つた》は蔦である事を知ったように。
火星
火星の住民の
有無を問うことは我我の五感に感ずることの出来る住民の
有無を問うことである。しかし....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
じた妻の姿は、ドッペルゲンゲルでなくて、何でございましょう。私は、妻が私に外出の
有無《うむ》を問われて、眼を大きくしながら、「いいえ」と云った顔を、今でもありあ....
「弓町より」より 著者:石川啄木
の中で最も純粋なものだというと同じく、性質の説明にはなるかもしれぬが、価値必要の
有無の標準にはならない。将来の詩人はけっしてそういうことをいうべきでない。同時に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
や、こんな時に限らない。すっぽりと被るのが、寒さを凌ぐより、半分は見得で、帽子の
有無では約二割方、仕立上りの値が違う。ところで小座敷、勿論、晴れの席ではない、卓....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、それでは余り賢人めかすようで、気咎がするから、成るべく餌も附着けて釣る。獲物の
有無でおもしろ味に変はないで、またこの空畚をぶらさげて、蘆の中を釣棹を担いだ処も....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
別にこの夫婦の愛情に何の変りがあるものではございませぬ。変っているのはただ肉体の
有無だけ、そして愛情は肉体の受持ではないらしいのでございます。 が、一|方にか....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
味を持つことになったのもその前後で、医師のスピーア博士と共に、頻りに死後の生命の
有無、その他人生諸問題につきて討究を重ねた。彼の宗教心は飽くまで強いのであるが、....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
だぞと言い聞かせている。しかしやはり肚の底には多少は何かを恐れている。この恐怖の
有無になると、室生犀星は頗る強い。世間に気も使わなければ、気を使われようとも思っ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
むることなお維新政府を認めたると同様なりしならんのみ。内乱の性質如何は以て干渉の
有無を判断するの標準とするに足らざるなり。 そもそも幕末の時に当りて上方の辺に....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
らしい小屋はどこにも見えない。僕は丁度道端に芋を洗っていた三十前後の男に渡し場の
有無をたずねて見ることにした。しかし彼は「富士見の渡し」という名前を知っていない....