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「有髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

有髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
書き込んだ、 |入道《みちにいる》無言客《むごんのかく》。|出家《いえをいず》有髪僧《うはつのそう》。 の一聯が、最後の頁の最後の句である事だけを記憶してい....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。しかし月はまだ出ない。 この時、一つの人影が石像の前へ現われた。 それは有髪の僧であった。身に行衣を纏っている。手に数珠を持っている。しかし足は跣足であ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ゝお寺が出来たな」と云った。居は気を移すで、寺の様な家に住めば、粕谷の墓守時には有髪の僧の気もちがせぬでも無い。 然し此れが寺だとすれば、住持は恐ろしく悟の開....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
坊さん? ううん、坊さんじゃないよ。だって頭に髪があるじゃないか」 「だから私は有髪の僧じゃ。したがって私の説教は普通の坊さんとは少し違う」 「あなたの名は何ん....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、尼の一団が足並みを揃え、その数およそ三、四十人、トットと走っているのであった。有髪の尼僧の一団なのである。 筏船に乗っている老婦人も、全く同じ姿であった。鼠....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るような立場となって、関寺小町の姿は消えたが、「花の色は」の大懐紙の前に、美しい有髪《うはつ》の尼さんが一人、綸子《りんず》の着物に色袈裟《いろげさ》をかけて、....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
|妾はどんなに悲しく『いいえ妾はあなたの妻、あなたがおなくなりなさいました後は、有髪の尼の心持で、あなた様のご冥福をお祈りし』『それでは屋敷は滅びるぞ! 先祖に....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
血曼荼羅を繰り拡げて行く事になった。 法水は庵主盤得尼の切髪を見て、この教団が有髪の尼僧団なのを知った。盤得尼は五十を越えていても脂ぎって艶々しく、凡てが圧力....
私本太平記」より 著者:吉川英治
られるよりはまだ始末がよい。……会うだけなら」 「会うておやりなされますか」 「有髪のころは、京鎌倉にも少ない美人と、人のよう申せしを、幼心にも覚えておる。墨染....