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「朗ら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朗らの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
の絹ちゃんを貴方にお願いしてよ。……」 そう云い捨てるなり、彼女は別人のように朗らかな調子になり、運転手がサッと開いた扉のうちにヒラリと滑りこんだ。そして僕が....
階段」より 著者:海野十三
。こちらは今日から入所された理学士|古屋恒人君。よろしく頼むよ」四宮理学士の声は朗らかであった。 「あらまあ、あたし初めてお目にかかってたいへん失礼をいたしまし....
赤外線男」より 著者:海野十三
う出たかッ――」 「赤外線男!」 「窓を皆、明けろッ!」 そのとき白丘ダリアは朗らかな声で云った。 「いいえ、大丈夫ですわ。カーテンを明けてみましたら、帆村さ....
蠅男」より 著者:海野十三
ピチピチ跳ねとるのやな」 署長以下、なんのことだと、気の弱い社員のズブ濡れ姿に朗らかな笑声を送った。 「――女の方は誰や。コラ、こっち向いて――」 と、署長....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
すると敵の奴よろこびやがって、それからのこりの戦車へ来るわ来るわ……」などという朗らかな話や、近く敵襲の警報が入ると、滑走路に小屋を運搬していって建て、村落と化....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
のように回復したんですか」 「さっぱりだめなのよ」 通信がうまくできないのに、朗らかに笑っているスミレ局長の気持ちが、正吉にはよくのみこめなかった。 「それじ....
海底都市」より 著者:海野十三
ですね。いや、国賓待遇《こくひんたいぐう》を受けてもいいじゃないですか」 僕は朗らかな気持ちになって叫んだ。 暗い問題とは 「君を国賓待遇《こくひんたい....
超人間X号」より 著者:海野十三
目が見えなくなると、あんなにいらいらするものだ。その反対に、目があくと、たいへん朗らかになる。心持ちがゆったりとするんだよ」 「そうかしら。でもぼくは、あの気む....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
いう理由に基くんだそうです」 「まあ、面白いこと」 二人は、そこで声を合わせて朗らかに笑った。 だが、二人は間違っていたのだ。それが笑うべき事柄でなかったこ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
とるか」と川上機関大尉は、自分の頬を指さした。昨日とはちがって、みちがえるように朗らかだった。 「司令官をお訪ねしたら、『一盞やれ』と尊い葡萄酒を下されたんだ」....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
があって、且つ色白に美しい。一二の松も影を籠めて、袴は霧に乗るように、三密の声は朗らかに且つ陰々として、月清く、風白し。化鳥の調の冴えがある。 「ああ、婦人だ。....
」より 著者:池谷信三郎
はまた頭の中の積木細工を一生懸命で積み始めた。 幕が開いた。チァイコフスキイの朗らかに憂鬱な曲が、静かにオーケストラ・ボックスを漏れてきた。指揮者のバトンが彼....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
この心さえ除き去れば安心して仕事が出来、道を歩いても飯を食っても睡眠しても、何と朗らかなものであろう。ただこの一本の閾、一つの関所があればこそ、彼らは親子、兄弟....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
ない。四郎の一言で今までの低気圧がたちまち雲散霧消して、光風霽月、かんらかんらと朗らかにうち笑つて別れてしまう。まことに男ぼれのする風格である。これほどの源太を....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
育って今ではすっかり成人した。娘はしっかりした正しい判断力とともにまたその父親の朗らかな性質を承けている。娘はベートーヴェン作の奏鳴曲を弾くことを何より好んでい....