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望み
「望み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
望みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
暮れるのでも待とう。」
彼のこの決心には、もちろん、いくぶん沙金に会えるという
望みが、隠れている。沙金は、日ごろから、強盗にはいる夜《よ》には、好んで、男装束....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ない体になっていた。玄鶴が彼女を貰ったのは彼女が或大藩の家老の娘と云う外にも器量
望みからだと云うことだった。彼女はそれだけに年をとっても、どこか目などは美しかっ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
とのある春水の顔が、卑しく誇張されて浮んで来た。「私は作者じゃない。お客さまのお
望みに従って、艶物《つやもの》を書いてお目にかける手間取《てまと》りだ。」――こ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
か、私には何にもわかりませんでした。ただその夜、まだ燃えている火事の光を暗い空に
望みながら、同僚の一人二人と一しょに、やはり一ひしぎにつぶされた学校の外の仮小屋....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ら、人気《ひとけ》のない庭へ飛び下りると、たちまち四五人の警護《けいご》の侍に、
望みの通り搦《から》められました。その時です。わたしを組み伏せた鬚侍《ひげざむら....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
になりましたが、さてその大食調入食調《だいじきちょうにゅうじきちょう》の伝授を御
望みになりますと、少納言はどう思召したのか、この仰せばかりは御聞き入れになりませ....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
「驚きましたか。こんなことはほんの子供|瞞《だま》しですよ。それともあなたが御
望みなら、もう一つ何か御覧に入れましょう。」
ミスラ君は後《うしろ》を振返って....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
もそればかりでは、依怙がなかったとは申されませぬ。わたくしは一体多門よりも数馬に
望みを嘱《しょく》して居りました。多門の芸はこせついて居りまする。いかに卑怯《ひ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
な、鋭い、しわがれた声で笑ったのである。「私は、金には不自由をしない人間でね、お
望みなら、あなたのお暮し位はお助け申しても、よろしい。」
李は、話の腰を折られ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
顔を眺めながら、
「お前は仙人になりたいのだそうだが、一体どう云う所から、そんな
望みを起したのだ?」と、不審《ふしん》そうに尋ねました。すると権助が答えるには、....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
えて行った。おれは今では己身《こしん》の中《うち》に、本仏《ほんぶつ》を見るより
望みはない。自土即浄土《じどそくじょうど》と観じさえすれば、大歓喜《だいかんぎ》....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
そへき》へ、一幀《いっとう》の画幅《がふく》を懸《か》けさせました。
「これがお
望みの秋山図です」
煙客翁《えんかくおう》はその画《え》を一目見ると、思わず驚....
「初雪」より 著者:秋田滋
簡易な、健全な、穏やかなその日その日を送っていれば、もうそれでよく、それ以外には
望みというものを持っていない。 十二月のこえを聞く頃になると、雪が降って来た。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
しく愛撫するようなものだったが、ひそひそ声のうわさ話によれば、彼女はまんざら彼の
望みをうちくだきもしなかったということだった。じっさい、彼の進出はほかの恋敵にと....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
前も、生れ故郷の村の名も忘れてしまっているに違いない。我が子にめぐり会えるという
望みもはや絶え果てて、車大工とその女房はただ泣くばかりだった。 そうこうするう....