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朝の露
「朝の露〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝の露の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
そうろう》、この野の中に縦横に通ぜる十数の径《みち》の上を何百年の昔よりこのかた
朝の露さやけしといいては出で夕の雲花やかなりといいてはあこがれ何百人のあわれ知る....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
とする時、かの朝顔売りや草花売りが早くも車いっぱいの花を運んで来る。花も葉もまだ
朝の露が乾かない。それを見て一味の涼を感じないであろうか。 売りに来るものもあ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
命が、自ら開拓されるだろう。 赤帆の船は岸へ着いた。高坂甚太郎は上陸した。春の
朝の露を踏み、新しい旅へ発足した。 樹海の方から聞こえて来たのは、例の鳥刺の歌....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
――と目でうなずいた邦夷は、さア行ってくれというふうに顎《あご》をしゃくった。早
朝の露っぽい路が海岸に向けて、ぼんやり見わけられた。砂浜に出て、それはイシカリの....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
分けてゆくと、もう水中の徒渉をやらないうちから、胴から下がビッショリになるほど、
朝の露が一杯である、林が一と先ず切れると、梓川の本流がうす暗い緑色になって、浅く....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
の油なんかうって居たけれどもこんなに落ぶれたわけをきいて買う人がないので暮しかね
朝の露さえのどを通す事が出来ないでもう今は死ぬ許りになってしまった。花の様な美し....
「荘子」より 著者:岡本かの子
みを持たせた支離遜だった。低い土塀の際の葉の枯れた牡丹に並んで短い蘭の葉が生々と
朝の露霜をうけた名残の濡色を日蔭に二株三株見せていた。もう正午にも近かろう時刻だ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
りと、屠所の羊のとぼとぼと、廊下伝いに歩は一歩、死地に近寄る哀れさよ。蜉蝣の命、
朝の露、そも果敢しといわば言え、身に比べなば何かあらむ。 閻王の使者に追立てら....