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「朝風呂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

朝風呂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
饗応夫人」より 著者:太宰治
「ウメちゃん、すまないけどね、あすの朝は、お風呂をわかして下さいね。今井先生は、朝風呂がお好きですから。」 けれども、奥さまが私に口惜《くや》しそうな顔をお見....
人間失格」より 著者:太宰治
という手腕をも示し、淫売婦のところから朝帰る途中には、何々という料亭に立ち寄って朝風呂へはいり、湯豆腐で軽くお酒を飲むのが、安い割に、ぜいたくな気分になれるもの....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
きの別室がついているという構造と、数寄を凝らした装飾、一流料理人を雇った闇料理、朝風呂、夜ぬいだワイシャツは朝までに洗いプレスするというサーヴィスで、田村の看板....
明暗」より 著者:夏目漱石
ちっとも存じませんが、何か――」 「別に何って事もないんですけれどもね、いつでも朝風呂場でお目にかかるのに、今日はいらっしゃらなかったから」 「はあさようで――....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
す人でござんす」 鵝鳥が絞め殺されるような声はうまい形容である。吾輩の主人は毎朝風呂場で含嗽《うがい》をやる時、楊枝《ようじ》で咽喉《のど》をつっ突いて妙な声....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
小皿に盛らして掻きたての辛子、「先ず有難え」と漸く安心して寝衣のままに咬え楊枝で朝風呂に出かけ、番頭を促して湯槽の板幾枚をめくらせ、ピリリと来るのをジッと我慢し....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
て、何んともいえず新鮮な心地がする。例えば大阪を仕舞風呂とすればこの辺りの空気は朝風呂の感じである。何もかもが結構であるが、ただ案じられるのは来るべき夏の水難で....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
に、その味は殊に深いものがある。 私は思いついた時勝負で風呂へ飛んで行くので、朝風呂、昼、夜の仕舞風呂の差別がない。朝風呂にはさも朝風呂らしい男が大勢来ている....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。その時に透見《すきみ》をして、有無《うむ》を言わさぬことだ。 「うむ、ここでは朝風呂をたてる、おれは寝過したふりをして、あいつが風呂場へ行く頃を見計らって、篤....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
Poogh ! |大地のおわるところ |大海の始まるところ ――若いころ香水の朝風呂へ這入って金の櫛で奴隷に髪を梳かせた史上の美女が、いま皺くちゃの渋紙に白髪....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
、凶悪の人相の持主であった。下っ引の手合も今日はいず、一人いい気持に酔っていた。朝風呂丹前長火鉢、これがこの手合の理想である。しかし岡っ引の手あて、賄賂を取らな....
屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
す」 「それは御苦労であった。ちょうどいま起きたところだから、茶漬けをかッこんで朝風呂をちょうだい致そう」 使いの者を返して湯をわかし、冷飯を茶漬けにして食事....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
朝風呂《あさぶろ》 阿古十郎ことアコ長。もとは北町奉行所に属して江戸一の捕物の....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
う声は勘さん。」甚八は奥の湯槽を透《すか》し見ながら、「へえ、藤吉親分に御注進、朝風呂なんかの沙汰じゃあげえせん。変事だ、変事だ、大変事だ!」 「藪から棒に変事....
九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
○ N氏の所では、色々のことを知った。十二月の末頃から、N氏は朝風呂《あさぶろ》に行くことを覚えて、毎朝五時頃から出かけた。金沢では、雪の降る....