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朝飯前
「朝飯前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朝飯前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
臭い顋《あご》をしゃくって、「大凶結構。男が一度惚れたからにゃ、身を果すくらいは
朝飯前です。火難、剣難、水難があってこそ、惚れ栄えもあると御思いなさい。」と、嵩....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
懇意だから、出来合があったら取ってくる積りで、日が高くなると熱くてたまんねから、
朝飯前に帰ってくる積りで出掛けた、おらア元から朝起きが好きだ、夏でも冬でも天気の....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
様な気がして大いに極りが悪い。義理にも進んで行きたがる様な素振りは出来ない。僕は
朝飯前は書室を出ない。民子も何か愚図愚図して支度もせぬ様子。もう嬉しがってと云わ....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
はま公にも繩をなわせろ」 省作は自分の分とはま公の分と、十|把ばかり藁を湿して
朝飯前にそれを打つ。おはまは例の苦のない声で小唄をうたいながら台所の洗い物をして....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
興味あるものとして刻み込まれた。併しあとで考えると、これらの探偵談は半七としては
朝飯前の仕事に過ぎないので、その以上の人を衝動するような彼の冒険仕事はまだまだほ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
っぱりつけたほどの怪力機械をもっているのだから、この怪塔を上げ下げすることなんか
朝飯前だろう」 「な、なーるほど」 一彦ははじめて塔が地中に下るわけが、なんだ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
ような、じとじと降の雨だったのが、花の開くように霽った、彼岸前の日曜の朝、宗吉は
朝飯前……というが、やがて、十時。……ここは、ひもじい経験のない読者にも御推読を....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
業が、いかにも氏に相応しく見受けられます。 氏は毎朝、六時に起きて、家族と共に
朝飯前に、静座して聖書と仏典の研究を交る交るいたして居ります。 氏は、キリスト....
「露肆」より 著者:泉鏡花
るまでもありませんよ。……我人ともに年中|螻では不可ません、一攫千金、お茶の子の
朝飯前という……次は、」 と細字に認めた行燈をくるりと廻す。綱が禁札、ト捧げた....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
け給う……と記してある。 「福徳って、お金ばかりじゃありませんわ。」 欣七郎は
朝飯前の道がものういと言うのに、ちょいと軽い小競合があったあとで、参詣の間を一人....
「僕の読書法」より 著者:織田作之助
い。疾走する電車の中にいる知人を、歩道をぶらついている最中に眼ざとく見つけるなど
朝飯前である。雑閙の中で知人の姿を見つけるのも巧い。ノッポの一徳でもあろうが、と....
「書記官」より 著者:川上眉山
った上は決して免がさぬ。光代との関係は確かに見た。わが物顔のその面を蹂み躙るのは
朝飯前だ。おれを知らんか。おれを知らんか。はははははさすがは学者の迂濶だ。馬鹿な....
「活人形」より 著者:泉鏡花
々や巨蛇なら、片腕で退治て見せらあ。「我だって天狗の片翼を斬って落すくらいなら、
朝飯前だ。「ここにも狼の百疋は立処に裂いて棄てる強者が控えておると、口から出任せ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
そして、イングランドの強力な軍隊をもって、少数の頑迷な主族どもを征伐する仕事は、
朝飯前の観があった。エセックスは、レインスタアに軍を入れた。――何物も抵抗しえな....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
も放心状態を続けた。その側に多可子は浴衣の上に伊達巻をまいたばかりで隣町の自家へ
朝飯前の夫を婆やにあずけて、周章てて駈けつけたままの姿で坐っていた。いつまでも政....