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「期する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

期するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
かったのでございます。と同時にまたその連中の心配を利用して、病気を口実に結婚を延期するのも、今となっては意気地《いくじ》のない姑息手段《こそくしゅだん》としか思....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いだ》いていた希望、――たといいかにはかなくとも、やはり希望には違いない、万一を期する心もちを打ち砕いたのも同様だった。男は道人がほのめかせたように、実際生きて....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
「今日は慎太郎《しんたろう》が帰って来るかな。」 賢造《けんぞう》は返事を予期するように、ちらりと洋一の顔を眺めた。が、洋一は黙っていた。兄が今日帰るか帰ら....
路上」より 著者:芥川竜之介
ク》の前へ坐っていた。 (以上を以て「路上」の前篇を終るものとす。後篇は他日を期する事とすべし。) (大正八年七月)....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
正しき伝統を解得し継承し、よってもって現時の文明にいささか貢献するところあらんと期する身が、この醜態は情ない。たとい人に見らるるの憂いがないにせよ、余儀なき事の....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
互に獲得する。人が通常いう愛するものは二倍の恵みを得るとはこれをいうのだ。私は予期するとおりの獲得に対して歓喜し、有頂天になる。そして明かにその獲得に対して感激....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
秩序の第一段階として採用されるに至った。 東亜の新秩序は、最終戦争に於て必勝を期するため、なるべく強度の統一が希望される。東亜諸民族の疑心暗鬼が除去されたなら....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
等の顰に倣って実行不能、真偽不明の煩瑣極まる法則などは述べようとはせぬ。われ等の期するところは、より清く高き空気を呼吸し、より浄く、聖なる宗教を鼓吹し、より純な....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
ば、現在我々が直面しているもろもろの事態に対処して行くうえに、おおむね誤りなきを期することができるはずである。たとえば、今回の選挙に際しても、多くの候補者のうち....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
行にして、ただその流行に連れて条約を結びたるのみ。 通商貿易の利益など最初より期するところに非ざりしに、おいおい日本の様子を見れば案外開けたる国にして生糸その....
妖怪学」より 著者:井上円了
いは人のごとく見え、あるいは鬼神のごとく見え、あるいは幽霊のごとく見えて、その予期するところに応じて、その形色一定せざるなり。これ、人の思想異なるに従って、異な....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
ば左右にその力を加え、足の上下するを求むればその上下にその力を加えて、自然にその期するところの結果を示すに至るも、自ら全く知らざるなり。 その他、人の年齢をコ....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
、大方読者諸君子の厚志によると深く感謝している。ただ志いたずらに高く、微力にして期するところ意に従わず、幾多の不備、粗漏があって古典を冒涜することなきかを恐れて....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
必ず午後に執行するなり。三時前後最も多し。 結婚の当日は、新郎まず、あらかじめ期するところの寺院に至りて新婦の来たるを待つ。そのとき音楽を奏す。新婦はその父と....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
と唱えきたるがごとく、「チリのマニアナ(明日)主義」といいて、すべて明日明日と延期する風あり。 しかして文明の程度は、アルゼンチンよりも十年間おくれおるという....