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木から落ちた猿
「木から落ちた猿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木から落ちた猿の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
してはきっといいことはあるまい、今この婦人《おんな》に邪慳《じゃけん》にされては
木から落ちた猿同然じゃと、おっかなびっくりで、おずおず控えていたが、いや案ずるよ....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
だから蟇口の中味は説明に及ぶまい。タッタ今博多駅で赤い切符を駅員に渡したトタンに
木から落ちた猿みたいな悲哀を感じて来た吾輩だ。三流か四流か知らないが、こんなボロ....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
ず、次第々々に貯蓄《たくわえ》の手薄になるところから足掻《あが》き出したが、さて
木から落ちた猿猴《さる》の身というものは意久地の無い者で、腕は真陰流に固ッていて....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
事業の隠れたる後援者であった山内正俊閣下が、去年の十一月に物故されて以来、吾輩が
木から落ちた猿同然、手も足も出なくなっている事を、彼奴等はチャンと知っていやがる....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
大尉の死体だ」 「ええっ、な、な、何だって?」 「あっはっはっ、いよいよ貴様も、
木から落ちた猿と同じことになったよ。ざまをみろ」 ジャックは憎々しげにいい放っ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
それでも故郷への面目は立つわけじゃ。……後はお通ひとり、武蔵さえ亡ければ、お通は
木から落ちた猿も同様、見つけ次第、成敗するに手間暇はかからぬ」
独り言に、うな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
して、しんじつ、千早へ走る気か」 「くどいな。さすがおまえさんも山を出るとまるで
木から落ちた猿だったね。さっきから、足もとも見ていねえンでしょ。下の道をごらん、....