木偶の坊[語句情報] » 木偶の坊

「木偶の坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

木偶の坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
べて八橋に操られた木偶《でく》のように動いていたのであった。人形遣いの手を離れて木偶の坊が一人で動ける筈がない。昔の次郎左衛門は知らず、今の次郎左衛門は八橋を離....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とじゃない」と、紋作はいきまいた。 「そりゃあ人間が上手に使えばこそだ。なんの、木偶の坊がひとりで動くものか」 「ええ、そういう貴様こそ木偶の坊だ」 双方がだ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
…老若男女の区別は無い。釣針にかかった勝負じゃ、緑の髪も、白髪も、顔はいろいろの木偶の坊。孫等に人形の土産じゃがの、や、殿。殿たち人間の人形は、私等が国の玩弄物....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
おとよさんの秘密に少しも気づかない省作は、今日は自分で自分がわからず、ただ自分は木偶の坊のように、おとよさんに引き回されて日が暮れたような心持ちがした。 ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
不良少女ばかりでなく、大人の方たちにもこれをお勧め申したいと思っています。なんの木偶の坊――とひと口に云ってしまえばそれ迄ですが、生きた人間にも木偶の坊に劣った....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
だの者が水中に立っていた。顔は眼も鼻も無いのっぺらぽうで、頸も動かない。さながら木偶の坊のようなものである。張はその怪物にむかって石を投げ付けると、彼はふたたび....
見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
者が見えんばかりではない、彼は被害者の姿までも見えなくしおった!」 アンガスは木偶の坊の立並んだ仄暗い室内を見まわした。戦慄が起った。等身大の人形の一つがそれ....
雪女」より 著者:岡本綺堂
部君はここまでひと息にしゃべり続けたが、それは一向に手ごたえがなかった。李太郎は木偶の坊のようにただきょろりとして、こっちの口と眼の動くのを眺めているばかりで、....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
らしのない人間で、最初は身に覚えのない罪を恐れ、後には女にあやつられて、魂のない木偶の坊のように踊らされていたのである。 事件の輪郭はこれで判った。その以上の....
接吻」より 著者:神西清
リャコーフの前に立停ったりしながら言うのだった。「ビール一つ見つけられんなんて、木偶の坊とも大馬鹿とも、方図が知れんじゃないか! ああん? いやさ、こいつ横着な....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
それだから俺は始めから死ぬんだ死ぬんだといって聞かせているのに、貴様たちはまるで木偶の坊見たいだからなあ。……ところで俺の弟は、兄貴の志をついで天才画家になると....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
れなくなった。人形芝居などというものは東京人の趣味に適さず、気の早い人はひと口に木偶の坊と蔑してしまうらしい。そうして、人間でも木偶の坊に劣る芝居のあることに気....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
せて段ものを演出し、遂には「道薫坊」と云われた人形舞わしが成立した。道薫坊とは「木偶の坊」ということである。関西地方ではそれを訛ってデコンボウと云い、元祖と仰ぐ....