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木戸銭
「木戸銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木戸銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の他愛もない芸であるが、それでも河童とか河太郎とかいう評判に釣り込まれて、八文の
木戸銭を払う観客が少なくない。半七はお照の台所の柱に残っていた鍋墨の手形から、新....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。 「国姓爺か。大物をやるな」 半七はふと何事かを考え付いたので、十六文の
木戸銭を払ってはいった。虎狩の場に出るのは、和藤内の母と和藤内と、唐人と虎だけで....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るように、諸人の眼に付くような場所に飾ってあるのもあり、又は普通の観世物のように
木戸銭を取って見せるのもありました。いずれにしてもお開帳に造り物はお定まりで、今....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
な物なんですが、つまりは人間の好奇心とか云うのでしょうか、だまされると知りながら
木戸銭を払うことになる。そこが香具師や因果物師の付け目でしょうね。観世物の種類も....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
、冷かに旧の座に直りつ。代価は見てのお戻りなる、この滑稽劇を見物しながら、いまだ
木戸銭を払わざるにぞ、(ちょいとこさ)は身動きだもせで、そのままそこに突立ちおれ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
はあまりの事に噴出して、我と我身を打笑い、 「小宮山何というざまだ、まるでこりゃ
木戸銭は見てのお戻りという風だ、東西、」 と肚の内。 女はお雪の肩を揺動かし....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
なすったんだ。さあ、お入んなさい、え、どうしたんだね。もう始りましたぜ。何でさ、
木戸銭なんか要りやしません。お入んなさい、無銭で可うごす。
木戸銭は要りませんから....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
」も聴いている。私の十七、八歳の頃、即ち明治二十一、二年の頃までは、大抵の寄席の
木戸銭(入場料などとは云わない)は三銭か三銭五厘であったが、円朝の出る席は四銭の....
「虎」より 著者:岡本綺堂
その正体を見きわめてやろうと思って、手拭に顔をつつんで、普通の観客とおなじように
木戸銭を払ってはいったが、素人と違って耳も眼も利いているから、虎の正体は大きい猫....
「山吹」より 著者:泉鏡花
より引上ぐ。客者に見ゆ)引導の文句は知らねえ。怨恨あるものには祟れ、化けて出て、
木戸銭を、うんと取れ、喝!(財布と一所に懐中に捻じ込みたる頭巾に包み、腰に下げ、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
も、彼とも、ものに譬えようがありますまい。――無理解とも無面目とも。……あれで皆
木戸銭の御厄介です。またあの養母というのがね、唾を刎ねてその饒舌る事饒舌る事。追....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
の家の馬逸して、廏側の朽ち板を破りたるあり。「金を渡せ」とは、過日、浮連節の座に
木戸銭を受け取るあり、その浮連節に柳生流を演じたるより、ついにここに連想をきたし....
「迷信解」より 著者:井上円了
駱駝の看板を掲げたる見せ物が出たことがある。これを見るもの真の駱駝と思い、争って
木戸銭を払いてその内に入れば、獣類の駱駝にあらずして、一人の肥大の男が、炎天焼く....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
座、高砂座、開盛座をいうのである。わたしは盛元座と高砂座へたびたび見物に行った。
木戸銭は三銭ぐらいで、平土間の大部分は俗に“追い込み”と称する大入り場であったか....
「公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
小舎は脊がいちばん高くて、看板がすてきにおもしろそうでありましたから、彼はついに
木戸銭を払って、奥の方に入ってゆきました。 彼は、そこで、どんなものを見たでし....