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木深い
「木深い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木深いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ともいえず涼々しく、釜無河原には常夏が咲き夢見山には石楠花が咲き、そうしてお館の
木深い庭を蛍が明滅して飛ぶようになった。 ある夜、信玄は十数人の家来と、中|曲....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、画家にあざむかれた雀の小坊主と蜜蜂とは、人間に立ち聴きせられないように、わざと
木深い森の中に隠れて、何がな復讐の手段はないものかと、ひそひそ評議をこらしていま....
「晩夏」より 著者:堀辰雄
ゅうさっか》の書いた「猶太《ユダヤ》びとの※《ぶな》」という物語だった。南独逸の
木深い谷を背景にして、酔払いの夫が或る吹雪の晩に森のなかで横死してからの、その寡....
「ある幻想曲の序」より 著者:寺田寅彦
。華やかな明るい楽の音につれて胡蝶のような人の群が動いている。 焔が暗くなる。
木深い庭園の噴水の側に薔薇の咲き乱れたパアゴラがある。その蔭に男女の姿が見える。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
出たが、犬に吠《ほ》えられて人に知れられるので、村落や一軒家などを避けていった。
木深い丘の向こうに出ると、鉄道線路の赤い火が遠くに見えた。その燈火で見当を定めて....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
木かげには、刈り束ねた柴が、落花をあびて置き去られたまま、あたりに杣の影もなく、
木深いところから小禽のねがきこえてくるばかりだった。 智月の「山桜ちるや」の句....
「女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
に独楽を配せる連作である。第一句では、落葉が散りしき、詣でる人も少ないという様な
木深い寂びた寺の境内を背景とし、そこへ独楽をもって上ってくる童たちを賑わしく登場....