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木造り
「木造り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
木造りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
を閉し、番人一人残して里へ下りてしまうそうである、宿は二階建ての、壁も塗らない白
木造りで、天椽《てんじょう》もない、未だ新しくて木の匂いがする、これで室《へや》....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
告どおり、南部名物くまの手踊りはいまし興行のさいちゅうでありました。がんじょうな
木造りの檻《おり》にはいっているのは大小二頭の荒ぐまで、そばには道化た服装をした....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
法水の調査が造園倉庫にも及んだのは当然であるが、そのシャレイ風の小屋は床のない積
木造りで、内部から扉一つで本館に通じていた。そして、各種の園芸用具や害虫駆除の噴....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
っていた。五岳の塔と六府の塔を、左の方に睨みながら、九曜殿の方へ進んで行った。黒
木造りの宮殿で、教団に属する財宝は、そこに一切貯えられてあった。 弓形の門を通....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ましく言われて来たことは、夜の枕にまで及んでいた。それは砧ともいい御守殿ともいう
木造りの形のものに限られ、その上でも守らねばならない教訓があった。固い小枕の紙の....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
話されていた。其処にそのまま残されてあった水揚げ水車は、毎日毎日松埃を浴びて、白
木造りだったのが、真黒になって突立っていた。 ――一九二九・一二・三――....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で居りましたが、その中の一|番大きい老木には注連縄が張ってあり、そしてその傍に白
木造りの、小さい建物がありました。四方を板囲いにして、僅かに正面の入口のみを残し....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
煙のように山々にまつわりついていた息苦しいような灰色雲を既に払いつくして、彼が荒
木造りの棺を根こそぎ掘出して、芝生の上に引っぱり出させた頃には星影さびしい夕空を....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
いた頼母は、五郎蔵やお浦から眼を外し、五郎蔵の背後、天井に近く設けられてある、白
木造りの棚を眺めた。紫の幕が張ってあり、燈明が灯してあった。 (何かの縁起には相....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
る魔法使いのような翁です。住民の家は灰色で土で造ってありますけれど老人の家だけは
木造りでしかも真紅に塗られています。真紅な家へいらっしゃい。そこに私がいるのです....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
の一つとして今特記しようとするには説明がいる。この所謂弘仁期直前に製作せられた一
木造りの如来像は世間普通には晩唐様式の模倣であってむしろ日本的性格の甚だ少いそれ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
た。道は思ったよりはるかに近いということがわかった。この居間のすぐ真向いに、狭い
木造りの階段がおそらく屋根裏まで通じているらしく、それは曲っているので、終りまで....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ざりまする上人様、晴れて居る空を見ても燈光の達かぬ室の隅の暗いところを見ても、白
木造りの五重の塔がぬっと突っ立って私を見下しておりまするわ、とうとう自分が造りた....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
て、等分に云ったりしたのを覚えています。 その人は骨組ががっしりして大柄な樫の
木造りの扉のような感じのする男で、橙色がかったチョコレート色の洋服が、日本人にし....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
って、みんなが這入って見て、また見まわした。其処が食堂、いや、寝室らしくもある。
木造りのほんの型ばかりのベッドが、奥への通路の赤い更紗のカーテンの傍にたった一つ....