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末娘
「末娘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末娘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「親という二字」より 著者:太宰治
円。御本人ですか?」 と局員が尋ねる。 「そうでごいせん。娘です。あい。わしの
末娘でごいす。」 「なるべくなら、御本人をよこして下さい。」 と言いながら、局....
「世相」より 著者:織田作之助
頁余りのその記録をその夜のうちに読み終った。 神田の新銀町の相模屋という畳屋の
末娘として生れた彼女が、十四の時にもう男を知り、十八の歳で芸者、その後不見転、娼....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
ながいき》の乞食の白髪小僧で、今一人はこの国の総理大臣の美留楼《みるろう》公爵の
末娘|美留女姫《みるめひめ》である。そうしてこの書物の持ち主は、この書物に書いて....
「わが町」より 著者:織田作之助
玉堂が行くと、義枝はおどおどして、お茶をもって来た。玉堂はまだ三十二歳、朝日軒の
末娘は二十歳で、玉堂の顔を見ると、ぷいと顎をあげて、出て行き、彼はちょっと寂しか....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
郭を描かせるほどの、身の上話をきかせていた。 一昨々年十六歳の初秋に父を喪った
末娘の将来を心配して老いた母は上京に意を決し、群馬の故郷の家をひとにあずけてから....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
働きだったと言う。体量も二十一貫ずッしりとした太腹で、女長兵衛と称えられた。――
末娘で可愛いお桂ちゃんに、小遣の出振りが面白い……小買ものや、芝居へ出かけに、お....
「唖娘スバー」より 著者:タゴールラビンドラナート
二人の姉達は、世間並の費用と面倒とで、もう結婚して仕舞っていました。今は唖の
末娘が両親の深い心がかりとなっています。世の中の人は、皆、彼女が物を云わないので....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
な方面から、綾子の若々しい顔付が覗き出してきた。 綾子というのは、洋造の伯父の
末娘の静子と同窓の親友で、女学校を卒業したばかりだった。前年の夏、戸倉温泉に行っ....
「沼のほとり」より 著者:豊島与志雄
り、九州から戻って来ました。 慌しい月日が過ぎて、七五三の祝い日に、今年七歳の
末娘を持ってる山田清子のところへ、佐伯八重子は顔を出しました。清子は深見高次の実....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
つききっていたのですが、月田全作の弟妹は分家したり嫁いだりした中に、たった一人、
末娘のミヤ子という二十の娘がまだ未婚で、兄の家に同居いたしております。この娘をち....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に自宅から追ッ払って吉原の近くに三百代言の店をもたせてやった。そして代りに能文を
末娘と結婚させて自宅へ入れて番頭とした。京子と能文は従兄妹同士の夫婦。しかし鬼は....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
へ入ってゆくと、花世は今度の成行を心配して顎十郎を待っていたところだった。堺屋の
末娘のおさよから花世に宛てて長い手紙が来ていた。 紅梅《こうばい》入りの薄葉《....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
来ると、あどけなくアコ長の顔を見つめながら、 「あたくしは深川茂森町の万屋和助の
末娘で利江と申すものでございますが、姉が生きておりますとき、金助町の花世さんのと....
「妖婦」より 著者:織田作之助
に生れた。相模屋は江戸時代から四代も続いた古い暖簾で五六人の職人を使っていたが、
末娘の安子が生れた頃は、そろそろひっそくしかけていた。総領の新太郎は放蕩者で、家....
「城」より 著者:カフカフランツ
、いったいこのたよりかたには何か理にかなった理由でもあるというんですか。あの人は
末娘ですし、
末娘として服従すべきです。罪があろうとなかろうと、あの人が一家に不幸....