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末端
「末端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
い二本の麻縄が垂れ下り、その一本は下の方に、一本は上の方に静かに動いていた。縄の
末端に結びつけられた重錘《おもり》の重さの相違で縄は動くのだ。縄が動くにつれて歯....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
よと叫んだバイロンの地獄さながらの景である。氷河は、いく筋も氷の滝をたらし、その
末端は鏡のような断崖をなしている。まったく、そこで得る視野は二十メートルくらいに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て一方の端を手桶とか手水鉢とかいうものに※ し込んで置くと、水は管を伝って一方の
末端から噴き出すのである。しかしただ噴き出すのでは面白くないので、そこには陶器の....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
川、雲南を経てビルマに至るアジアの大油脈があることは確実らしく、蘭印の石油はその
末端と言われる。現に熱河には石油が発見され、陜西、甘粛、四川に油の出ることは世人....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
迫心理に、当然欠いてはならぬ生理現象があるからだよ。それはマイネルト等の説だが、
末端動脈が烈しく緊縮して胸部に圧迫感が起るので、呼息を肺臓一杯に満たして不安定な....
「海底都市」より 著者:海野十三
。そして天井から、にゅうと顔を出しているのは、まぎれもなく海底都市のボーリングの
末端《まったん》をなす鋼鉄棒《こうてつぼう》だった。 「とつぜんあのとおり、大震....
「怪塔王」より 著者:海野十三
は、まるで電話の交換室のようになっていまして、この怪塔ロケット内のすべての機械の
末端がここに集っていますから、この室にすわってさえいれば怪塔を自由にあやつること....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ず、股のところから大樹の向う側にずっと長く斜に引き張られているのではないか。縄の
末端は、大樹の向う三間ほど先にある手水鉢の台のような飛び出た巌の胸中に固く縛りつ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
振り上げた押絵の右手からは、十本程の銀色の蜘蛛糸が斜に扇形となって拡がって行き、
末端を横手の円い柱時計の下にある、格子窓の裾に結び付けてあった。 「ハハァ、鉄輪....
「風波」より 著者:井上紅梅
ておしまいなさいよ。泣きっ面をしたって今さら辮子が延びるもんじゃない」 太陽は
末端の光線を収め尽して、水面はしのびやかに涼気を囘復した。地面の上にはお碗とお箸....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
なつて互にだましたりだまされたりしていたのだろうと思う。 このことは、戦争中の
末端行政の現われ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオのばかばかしさや、さては、町会、....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
って差支えなかったが、疑問は、それのみには止まらなかったのである。いずれも、傷の
末端が、V字型をせずに、不規則な星稜形をなしていて、何か棒状のもので掻き上げたよ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
以上が真相の全部です。だが、もともと自然の悪戯であるとは云え、そうして幡江の心の
末端に触れたものが、後々の謎に、どれほどの陰影を添えたか知れなかったのでしたよ」....
「髪」より 著者:織田作之助
の同級生の愚鈍な顔を思い出さぬ例しは一度もないくらいである。彼等が今日本の政治の
末端に与っていると思えば、冷汗が出るのである。 しかし、私は何も自分が彼等にく....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
さどる。その伝導をつかさどる神経にまた二種ありて、一は求心性神経と称して、神経の
末端より中枢に伝うる作用を有するものをいい、一は遠心性神経と称して、中枢より
末端....