本の上[語句情報] »
本の上
「本の上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本の上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
いる。木剣は勿論《もちろん》「水滸伝」以来二度と彼の手に取られなかった。が、彼は
本の上に何度も笑ったり泣いたりした。それは言わば転身だった。本の中の人物に変るこ....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
指さした几《つくえ》の上には、紫金碧甸《しこんへきでん》の指環が一つ、読みさした
本の上に転がっている。指環の主は勿論男ではない。が、王生《おうせい》はそれを取り....
「生きている腸」より 著者:海野十三
である――においては、その新生物は医学生吹矢隆二の室内を、テーブルの上であろうと
本の上であろうと、自由に散歩するようになるまで生育した。 「おいチコ、ここに砂糖....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と立った。主税の肩越しにきらりと飛んで、かんてらの燻った明を切って玉のごとく、古
本の上に異彩を放った銀貨があった。 同時に、 「要るものなら買って置け。」 ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
も両手に抱えて、チャブ台の上にだんだん重ねていった。そして最後に、その積みあげた
本の上に愛蔵のギターをソッと置いて、この土木工事は終った。こうして置けばもう大丈....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
丁度その頃、東洋方面には、有史以来の険悪な空気が、渦を巻いていた。 わが日
本の上海駐在の総領事惨殺事件と、そのあとに続いた在留邦人の復讐事件とは、一と先ず....
「蠅男」より 著者:海野十三
睨み合っている。 傍らの椅子には、これまた絵に描いたような麗人糸子が膝に伏せた
本の上にすんなりとした片手を置いて、何ごとも知らず安らかに眠っている。どうやら糸....
「一坪館」より 著者:海野十三
トルの高さがあり、そして互いにビームで枠形に組み合っていた。そういう支柱百四十四
本の上に、平らな飛行場がのっているのだ。もちろん鉄の枠の上に鉄板が張ってあり、そ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
は真平です」 ベラン氏が、僕の方をじろりと見たが、僕の目と会うと、周章てて目を
本の上に落とした。 それがきっかけとなり、ミミは僕をつかまえて、輪投げを挑んで....
「火星兵団」より 著者:海野十三
るで、本の好きなどろぼうがはいって散らかしたように、机の上には、ページをひらいた
本の上に、また他の本がひらいて置かれ、そのまた上に、ノートがひらいてあるという風....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
悪化し、帝国政府は遂に宣戦布告を決意したものと見られています。……」 孤立の日
本の上には、もう今日明日に迫って爆弾の雨が降ろうとしているのだ。 「僕は洋服に着....
「獏鸚」より 著者:海野十三
送り出し」のところで、玲子の云う台辞がまるで違っている個所があった。そこで彼は台
本の上に赤い傍線をつけると共に、「カフェの送り出し」の一節のフィルムを別にして、....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
吉は大阪から、それぞれ上京してたまたま第一ホテルに投宿したのである。 自作の脚
本の上演を見るために、わざわざ上京して来たということは、即ち信吉が劇作家としては....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
米国に至り、ついで英国に入り、この諸邦の一個人の富と一国の富と、ともにはるかに日
本の上に出ずるを見、また一個人の力と一国の力と、ともにわが国の比にあらざるを知れ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
はますます弱くなり片輪になって行きつつある。人類の身体はギリシャ、ローマ時代(日
本の上古・大和時代)を頂上として漸次退化しつつありと叫ばれるに至ったのもこの不自....