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本堂
「本堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
《りんず》に蔽《おお》われた棺《かん》はちょうど須弥壇《しゅみだん》を正面にして
本堂の入り口に安置してある。そのまた棺の前の机には造花の蓮《はす》の花の仄《ほの....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
慮《おもんぱか》って、左近の俗名《ぞくみょう》は洩《も》らさずにいた。すると寺の
本堂に、意外にも左近と平太郎との俗名を記した位牌《いはい》があった。喜三郎は仏事....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
て、「やっと眼がさめたような気がする」と言った。
斎場は、小学校の教室とお寺の
本堂とを、一つにしたような建築である。丸い柱や、両方のガラス窓が、はなはだみすぼ....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
説教がすまない内は、勿論和尚にも会われますまい。そこで女はいら立たしいながらも、
本堂一ぱいにつめかけた大勢の善男善女《ぜんなんぜんにょ》に交《まじ》って、日錚和....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
た。
ちょうどこの上口《のぼりぐち》の辺に美濃《みの》の蓮大寺《れんだいじ》の
本堂の床下《ゆかした》まで吹抜《ふきぬ》けの風穴《かざあな》があるということを年....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
姿が、遥に壁に掛った、極彩色の涅槃の絵と、同一状に、一幅の中へ縮まった景色の時、
本堂の背後、位牌堂の暗い畳廊下から、一人水際立った妖艶いのが、突きはせず、手鞠を....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
隅、分けても暗い中に、あたかも水から引上げられた体に、しょんぼり立った影法師が、
本堂の正面に二三本燃え残った蝋燭の、横曇りした、七星の数の切れたように、たよりな....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
鉢で手を洗って、これは手巾で拭って、裾をおろして、一つ揺直して、下褄を掻込んで、
本堂へ立向って、ト頭を下げたところ。 「こちらへお入り、」 と、謙造が休息所で....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、浴衣、襯衣、上衣など、ちらちらと渚に似て、黒く深く、背後の山まで凹になったのは
本堂であろう。輪にして段々に点した蝋の灯が、黄色に燃えて描いたよう。 向う側は....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
弱ったんだ、清全寺ッて言う巨寺の秘仏だっさ。去年の夏頃開帳があって、これを何だ、
本堂の真中へ持出して大変な騒ぎを遣るんだ。加賀からも、越後からもね、おい、泊懸の....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
、これはその辺の百姓でした大橋門蔵という人がやったのです。 その後椿岳は観音の
本堂傍の淡島堂に移って、いわゆる浅草画十二枚を一揃として描いて、十銭で売ったもの....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まが、窓からかんかん、ヨハンネスのねている所までさし込んでいました。ふとみると、
本堂のまんなかに、死んだ人を入れた棺が、ふたをあけたまま置いてありました。まだお....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。ずんずん通り抜けて、寺内へ入ると、正面がずッと高縁で、障子が閉って、茅葺ですが
本堂らしい。左が一段高く、そこの樹林の中を潜ると、並んではいますが棟が別で、落葉....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
いう語を非常に面白く聴いたものである。 鎌倉に水泳演習の折、宿は光明寺で我々は
本堂に起居していた。十六羅漢の後に五、六歳の少女が独りで寝泊りしていたが、この少....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ラックである。如何に金の紋を打った亜鉛葺きの屋根は反っていても、ガラス戸を立てた
本堂はバラックという外は仕かたはない。僕等は読経の声を聞きながら、やはり僕には昔....