本場物[語句情報] » 本場物

「本場物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本場物の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、くろうとでもなし、飛騨の高山の田舎娘上りとは言い条、どうして、味はこってりと本場物に出来てやがらあ、口前のうめえところは女郎はだしなんだが、あれで、気前と心....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
やはるな、ちゃア」 と上方なまりをむき出したよた者もある。とにかく雑種であって、本場物ではないが、東西聯合のトバと見れば見らるべきものです。 これらの連中が、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
軒の仮店に首をつっこんで、 「ふむ。海老《えび》がある」 「へい。ございます――本場物《ほんばもの》で」 「本場……と申せば、伊勢か」 「へえ、へえ、伊勢の上も....
ピンカンウーリの阿媽」より 著者:豊島与志雄
る。それよりも、この土地のラオチュウはたいてい即墨の地酒だが、彼女が特別に紹興の本場物の上等品を手に入れてくれたからである。それを錫の銚子に燗をして、彼女は隣室....
どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
在に、伯父や伯母や兄弟が、たくさんいる。横浜にはまた戻って来る。その時は、紹興の本場物の老酒を、何十年も何百年もたった豊醇な老酒を、たくさんお土産に持ってこよう....
碑文」より 著者:豊島与志雄
冷紅がみごとな贈物を貰ったお礼に、早速、老酒の古い甕を開けることにしよう。紹興の本場物だよ。」 隅の卓子で古い絵本を繰っていた崔冷紅が、顔を挙げて、睨むような....
自由人」より 著者:豊島与志雄
紹興のことが浮んできた。――料理店紹興は、地名から来たものではなく、支那酒老酒の本場物たる紹興酒から来たものだ。菅原洋平は終戦後だいぶたってから中国から帰国し、....
ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
チャップリン。喜劇だけで最高の椅子をかち得たクレール。 ゲテ物、チャップリン。本場物、クレール。 世界で一番頑迷なトーキー反対論者、(彼が明治維新に遭遇した....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
なかろう。かといって、二十歳や三十歳くらいの青年期では、酢加減がどうの、まぐろの本場物、場違い物などとみてとれるはずがない。善かれ悪しかれ、なんでもかでもうまく....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
晩、私は椿姫の観衆の中にいた。一場の歌劇にもウィーンいらいの伝統がある。居ながら本場物のイタリア歌劇団を見られるなども今日の歴史だ。私は歴史のマスコミの中で、一....