本字[語句情報] »
本字
「本字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
の出した提灯《ちょうちん》の明りで見ると、印度《インド》人マティラム・ミスラと日
本字で書いた、これだけは新しい、瀬戸物の標札《ひょうさつ》がかかっています。
....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
書いた。ウィリアムスは、早口の日本語でそれは何国の字ぞときいた。 寅二郎が、日
本字なりと答えると、ウィリアムスは笑って、それは唐土《もろこし》の字ではないかと....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ーマに残っている古文書にはすべてイダテマサムネと書いてあると云う。ローマ人には日
本字が読めそうもないから、こっちで云う通りをそのまま筆記したのであろう。なるほど....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
悼した登山会が催されたとすれば、君にはいい手向けである。私も、桑港で発行される日
本字新聞『日米』で、君とスタア博士と富士山との交渉を書いて、心ばかりの供養に代え....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
。飲物のはいっている壜もきた。「水」だとか、「酒」だとか、「清涼飲料」とかの、日
本字が書きつけてあった。 「さあ、どうぞ召上ってください」 と、タルミミ君らし....
「それらの国々でも」より 著者:宮本百合子
事情をみればよくわかる。日本語を強制された朝鮮人民の生活の中で、日本語が話せ、日
本字のかける朝鮮人が、総督府の官吏になり、巡査になり、収税吏になって、今日になっ....
「一九二九年一月――二月」より 著者:宮本百合子
ものも使うからこれからもうストロー※ヤで食事することは禁物です、 是は寧ろ日
本字で書くより ロシア字になおして、衛生大臣セマシコフに見せたい答だ。 公平に....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
これはフェンチャアチ街一四九番のブリストウ&スタアリング洋服店。御|叮嚀に日
本字の書き版である。 日本御料理仕出シ御旅館 日ノ出家 日本食料品製造元特約代理....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
――。 アルセナルスガタン通りを散歩していたら、そこの一番地に「日本美術」と日
本字の看板が下っていた。これは! と思って入口を覗くと、ちゃんとこう御丁寧な日本....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
われらも日本人だ、なんとかしましょう」 と、ありがたいことばである。そして、日
本字新聞は、「龍睡丸|義捐金募集」をしてくれたが、このとき、ホノルルの外国人のあ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
しく、 「僕、それよく分らなかったから、平仮名で書いておいたの、そしたら、ママが
本字を教えてくれたんだもの。それでも、いいんだよ。」と、子供らしく、喰ってかかっ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
安《てらじまりょうあん》の『倭漢三才図会《わかんさんさいずえ》』にも椿を倭字(日
本字)だと書いてある。ゆえにこの椿はツバキと訓むよりほかにいいようはない。そして....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
思われる片仮名で、私は看護婦にも頼み、自分でも時々手紙を書いてみました。 が、
本字を一字も使わずに、片仮名だけで書くということが、外国語を使うよりも、どんなに....
「日本のこころ」より 著者:中谷宇吉郎
純日本風の生活を初めからしていたようであった。 喋《しゃべ》るばかりでなく、日
本字の読み書きも習いはじめて、一年くらいしたら、手紙が書けるようになった。平仮名....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
っしょくたに引きもぎった。 はいり口の横には貼紙に「ミルクあります。」と拙い日
本字で書いてあった。 内へはいって見ると、二|間きりしかなかった。侘びしい家具....